【商品がいつまでも来ない】
日本国内であれば、少なくとも発送さえしていれば中1日〜2日で必ず届くわけですが、海外からだとそうも行きません。
アメリカからの航空便で2週間ぐらいはフツーにかかることがあります。日本に着いてから、通関に手間取っていることもあります。
「surface」というのは船便で、運賃は安いかわりに4週間〜6週間もかかることがあります。
「詐欺ではないか」と相手を疑う前に、航空便の送料を払っているか確認する必要があります。最近は、カナダやイギリスからは、驚くほど早く届くことがあります。1週間以内で届いたこともありました。
【発送していなかった】
商品があんまり届かないのでメールしたところ、『夫が郵便局に何点が出しに行ったのだけれど、1点だけクルマのシートの間にはさまって、残っていました。とってもごめんなさい』なんていうことがありました。それじゃぁ、届くワケがありません。
『いついつ発送しました』というメールをくれないケースもあるので、そういう場合は、3週間ぐらい経ったところで、『届かないぞ。』ではなくて、『いつ発送しましたか??』というメールを出してもいいかと思います。
【宛名の字が判読不能で、戻ってしまった】
オランダからの商品が、いつまで経っても来ない…。この時ばかりは郵便事故による紛失だと覚悟しました。相手は「送った」と言っているからです。なんのことはない、出品者の書いた字があまりにもキタナかったために、日本の郵便屋さんが読めず、オランダにいったん帰ったのでした。送り直してもらって届きました。(結果的に郵便事故による紛失は一度も経験していません。)
【商品が間違っている】
私は人種差別・民族区別主義者ではないつもりですが、「国民性」というものはあるようで、日本人よりも細かいコトが気にならない、という方はいらっしゃるようです。
マッチボックス55番の「フォード・ギャラクシー・ポリス」(前列右から二番目)をようやく落札し、楽しみにして待ち、箱を開けたら55番の「フォード・フェアレーン・ポリス」(前列一番右)が出て来たことがありました。「フェアレーン」の方が高価なのですが、そういう問題ではありません。マッチボックスはトミカ同様に同一品番を絶版にして差し替えて行きますから、「ポリス」は全部55番なのです。マッチボックスを扱うなら、このぐらいはわかっていて欲しい…。「ギャラクシー」は、「フェアレーン」がカリフォルニアに返品到着するまで発送してもらえませんでした。(こういうことだけはシッカリしている。)
経験的に言いますと、ミニカーだけを出品していて、出品者自身が「コレクター」であると、明らかに推測できる人からの買い物の方がいいかもしれません。
※55番の「フォード」フリート。ただし後列右のバーランプのマーキュリー2台は、
59番の「ファイアチーフ」のバリエーション。
【出品者以外の人からメールが来る】
私は普段は5ドルのマッチボックスとかを買っているわけですが、レズニー時代のレギュラーホイルものとか、コーギーの絶版品とか、100ドルぐらいのものに入札したこともあるわけです。そうしますと、驚くことに、出品者以外の人からメールが来たことが何度かありました。
eBayでは、「eBayメンバーとのコンタクト」というのが常時可能でして、取引関係が発生していなくても、eBay のシステム経由で(つまり相手のメールアドレスを知らなくても、会員同士であれば)メッセージが送れるのです。
『オークション見てました。私も同じものを出品しているんですが、買いませんか??』といった類のものです。自分の出品と同じものを100ドルで買った人がいるなら、自分の商品も100ドルで売れる、と思ったのかもしれません。でも箱の有無とか、状態とかありますから、同じ商品なら全てその値段で売れるとは限りませんよね。
相手の申し入れや商品に対して興味があるなら別ですが、不要ならハッキリ「必要ない」と言ってください。欧米人に対しては、『あなたの商品も、とても良いと思うけれど…』などという意味不明のことを書くことは誤解のもとです。
【商品が壊れている】
出品中の画像を撮った時点でもともと壊れているのか、日本に来る途中で壊れたのか、という議論になります。ただし出品の説明をよくよく読んでみると、海外発送にともなう紛失・破損・などのリスクは購入者が負う、それができないなら海外発送はしない、という出品も多いのですね。
ケース・バイ・ケースで判断するしかありませんが、あまりにも梱包がぞんざいで、それが原因で、郵送途上で破損したということが明らかな場合は、獲得目標をハッキリ決めて交渉する、ということになるかと思います。EMS便だったり、保険がかけられている場合は、相手にではなく、近くの集配局に言えば補償が出ることがあります。
幸いなことにダイキャスト・ミニカーはそれなりに頑丈なので、よほどのことがない限り、郵送途上での破損というのは考えにくいです。
一度だけ、ベルギーから買ったコーギーが丁寧にテイッシュでくるまれていたため、ティッシュとプラ製メッキ部品が擦れ合って、メッキがきれいサッパリ剥げていたことがありました。
【本当に商品が来ない】
郵便物が届くまでにある時間がかかるため、また上記のように出品者側の『送ったと勘違いしていた』という単純ミスなどもあるため、どの時点で「届かない」と判断するかは、なかなかむずかしいのですが、代金だけをネコババして逃亡をはかる「オークション詐欺」の対策として、いくつかの「落札者保護」(buyer protection)のためのサービスが用意されています。
・オークションの終了から10日以内では、国際送金の現金化や郵便物の到着などに、予想外の時間がかかる場合があること、出品者に直接メールして聞いたり、eBay 上の「出品者に質問する」を経由して送信すること、出品者が落札者にメールしているにもかかわらず、落札者のメールアドレスが登録上のものと変わっていたり、ウイルス・フィルターのために着信拒否されていたりする可能性をチェックするように勧めています。
「10日以内」という期間では、日本に到着する商品もありますが、全ての商品が到着するのは困難な時間です。
・オークションの終了から45日以内で、かつ PayPal によって支払いをしている場合には、PayPal に対する「落札者保護のための支払い請求」(PayPal Buyer Protection claim)を請求できる可能性があります。ただし請求できる落札品の価格は1,000 USドルまで、この請求は、ひとりのユーザーについて年間(暦年)に3件までしかできません。(つまりこの種のトラブルは、そうそう頻繁にはないだろう、という前提に立っているわけです。)
・商品到着に不審があり、PayPal、BidPay など、クレジットカードで支払いをしている場合には、日本のクレジットカード会社に電話して、口座からの引き落としを止めてもらう、ということもできます。ただし出品者には、クレジットカード支払いの確認メールが届いた時点で発送してくれる人と、実際に現金化するのを待ってから発送する人とがいて、これも連絡するタイミングを測るのがむずかしいと言えます。カード会社からの請求明細書は、必ず口座から引き落とされる前に届きますので、明細書の中に「問題あり」の項目がある場合には、引き落としを止めてもらうかどうかを判断してください。
・オークションの終了から60日以内であれば、「Item Not Received dispute」のサービスを受けることができます。「ディスピュート」というのは「議論・論争」ということで、落札者・出品者の「マイオークション」上に、議論のための掲示板が設定され、eメール送受信や「出品者に質問する」を経由せずに、ダイレクトに議論ができます。出品者の「マイオークション」には「アラート」(警報)が表示され、「回答しない」「見ていない」という逃げや言い訳はできなくなります。
「ディスピュート」は当事者間での問題が解決するまで終了せず、「アラート」も消えません。
ただし「当事者間で話し合ってください」ということをコンセプトにしており、eBay はそれ以上は介入しません。(相手が「確信的詐欺犯」で、既にメンバー登録を削除しているような場合には効果が無いことになります。
逆の立場で、落札者からの支払いが無い、というような場合には、出品者がディスピュートを立ち上げ、落札者の「マイオークション」にアラートが点灯します。
・オークションの終了から90日以内であれば、「標準購入保護プログラム」(eBay's Standard
Purchase Protection Program)により、支払保護請求ができる可能性があります。
ただし「eBay 標準購入保護プログラム」の適用を受けるためには、落札から60日以内に「Item Not Received dispute」を立ち上げ、かつ出品者とのディスピュートが決裂している(商品が発送される見込みも、代金が払い戻される見込みもない)ことが必要です。
加えて補償の最高額は200ドルまで、25ドルが「processing costs」として差し引かれます。したがって実質の補償最高額は175ドルです。
つまり落札金額が500ドルであっても、175ドルしか補償されません。落札金額が30ドルの場合には、プロセシング・コストの25ドルが引かれるために5ドルしか補償されません。
・「ディスピュート」を要請できる期間である「オークションの終了から60日」を過ぎていても、「Security & Resolution Center」に対して、いつでも質問・報告をすることができます。報告送信は、「ID乗っ取り」などで、ユーザーが eBay へのアクセスが出来なくなっている場合などを考慮して、ID・パスワードを入力せずに送信できます。送信内容の文字数制限などもありません。
http://pages.ebay.com/securitycenter/?ssPageName=home:f:f:US
eBay のとるアクションとしては、eBay から出品者への連絡、落札者が利用した支払決済機関への連絡、インターネット不正行為(詐欺)苦情センターへの報告(Filing a report with the Internet Fraud Complaint Center)、出品者のIDの一時または無期限停止、メイル不正行為罪での告訴( Filing mail fraud charges)、その他の法的措置のための報告(Reporting the transaction to law enforcement)、などとなっています。
『やはり海外オークションはコワい』と思われるか、『日本国内でのネットオークションよりも落札者保護の仕組みが充実している』と思われるかは、皆さんのご判断におまかせいたします。
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