ニューヨークに「Dover Publications.Inc.,」という出版社があり、デザイン/手工芸/ペーパークラフト関連などの書籍を数多く出版しています。
このうち、「Cut and Assemble」というシリーズとして、HOスケールの建物のペーパークラフト本が出ているのですね。
今回はこの中の「Main Street」(9 Easy-to-Make Full-Color Buildings in H-O Scale by A.G.Smith,1983)を利用しました。「H-O Scale」というように、「H」と「O」の間にハイフンの入った表記が、もともとは「Half-O」(Oスケールの半分)という意味だったことを思い出させます。
新刊で買って、作らずに持っていたのですが、何と20年以上経ってしまいました。何ということでしょうか。今回はスケールの関係でオリジナルは切り抜かず、カラーコピーで1/64スケールに拡大して使用しています。

「Dover Publications」のサイト上で、同社出版物がご覧になれます。
http://store.yahoo.com/doverpublications/by-subject-children-cut---assemble.html
このシリーズで、現在入手可能なものは以下となっています。(以下のリストでは、HOスケールであることが明記されているものに限定してあります。)
このうちの多くが、「アマゾン」の日本語サイトで注文可能です。日本語のアマゾンと、ニューヨーク・ドーヴァーのサイトでは、当然ながら在庫状況が微妙に異なっていました。
ぜひ特定のものを、というのでない限りは、日本のアマゾンで購入される方が簡単と思います。アマゾンのサイトで、「洋書」→「Cut and Assemble」で検索をかけてみてください。
価格は9.55ドル、アマゾンで1500円ぐらいですが、商品によっては建物単品だけ、というものもあり、それらはもう少し安くなっています。
これらの商品の表紙では、樹木や人形などを配置した立派なディオラマ写真になっていますが、商品はあくまで「本」で、人形や樹木・ミニカーなどは付属しませんので念のため。
それと、どうしたものか今回の「マッチボックス・タウン」に使用した「Main Street」が版元絶版になっているようです。
たまには童心に返って「紙の街」を作り、お気に入りの小スケール・ミニカーを並べてみてはいかがでしょう。(ミニカー・コレクターは毎日「童心」かもしれませんが…。)
Cut & Assemble an Early American Seaport
Cut & Assemble Western Frontier Town
Cut & Assemble Victorian Houses
Cut & Assemble an Early American Seaport
Cut & Assemble a Victorian Gothic House
Cut & Assemble Southern Plantation
Cut & Assemble House of the Seven Gables
Cut & Assemble Paul Revere House
Cut & Assemble Early New England Village
Cut & Assemble Frank Lloyd Wright's Robie House
Cut & Assemble Historic Buildings at Greenfield Village
Cut & Assemble a Victorian Seaside Resort
Cut & Assemble the Old Sturbridge Village Meetinghouse
Cut & Assemble a Victorian Railroad Station
Cut & Assemble a Victorian "Painted Lady"
Cut & Assemble New England Farmhouse
Cut & Assemble Lincoln's Springfield Home
以前にもこのぺーパーキットにはハマったことがあり、カドー玩具時代「ミニチュアカー」誌に雑文を書いたことがあります。「Western Fronteer Town」の間にトミーの「ウエスタン・リバー・レイルロード」(つまり東京ディズニーランドの鉄道)のHOモデルを走らせて、「超簡易アメリカ型レイアウト」を作ったりしたものです。(東京ディズニーランドの開園間もない時分でした。)その頃に比べると随分と種類も増え、クォリティも上がっているように感じられます。
今回は1/64に拡大して作りましたが、いっそ半分に縮小して、「N」スケールにする、という遊び方もいいかもしれません。でも今度は機関車・貨車があってもクルマが無いですね…。
しかし「紙の建物」の最大の問題は、「窓が抜けておらず、絵として描かれていること」なのですね。これが結構実感をそこね、全体を「平面的」に見せてしまうのです。
それで今回は、「透明プラ板」に、1/64に拡大したカラーコピーを両面テープで貼り、窓枠だけを残してガラス面に当たる部の紙を切り取って剥がす、という方法を実験してみました。
多少の手間はかかりますが、簡単に「透明のガラス窓」を再現できるわけです。
壁面は「透明プラ板に紙1枚」では光が透けてしまうため、内部を暗色に塗ってあります。
加えて、窓のサッシ回り、柱、ひさし、などを別の厚紙やプラ板を積層して貼って厚みを持たせ、つとめて立体感を出すようにしてみました。つまり同じ壁面のコピーを2〜3枚とっておいて、厚紙をはさみながら重ね貼りしていくわけです。
「紙」というのは、決してモデリングの上では馬鹿に出来ない素材なのです。
昔から鉄道のモデラーは、客車〜電車系車輌の「ペーパーキット」を作りました。これはもともとは「プラ板」などというものが無かったからですし、何よりも窓を切り出すのに加工が容易だからです。サーフェサーで下地加工し、塗装してしまえば、まず「紙」とは思えません。
鉄道レイアウトの建物づくりなどにも「紙」は多様されて来ましたが、これにはプラスチックでは得られない「質感」が得られる、ということもあります。
47-2のコマー・アイスクリーム・キャンターは、アイスクリーム屋のオジサンが(イギリス式左側通行なので)車体左側を向いてしまっているのです。アイスクリーム屋のオジサンも他の人形とマッチさせるにはペイントしてしまいたいところですが、ミニカーとして温存したいので、我慢…。
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