Nostalgic Patrol Cars Season 2

コーギージュニアの緊急車


Emergency Vehicles from HUSKY and CORGI JUNIORS










「コーギージュニア」というブランドには、どんな印象をお持ちでしょうか。
「スーパーマン」をプリントしたバンや、「バットモービル」などのキャラ車でしょうか。プラスチックの裏板を付けた、ひどく軽い、あまり高級感ただようとは言えないミニカーたちでしょうか。
それとも、メットトイが市場から退出したのが1983年だったという事実から見れば、「コーギージュニア」というブランドをご存じの方は、既にあまりいらっしゃらないでしょうか。


かつて、「コーギー」が光り輝いていた時期がありました。
「コーギー」をトレードマークとしていた「メットトイ」(Mettoy Playcraft Ltd.)は、1933年にドイツ人のフィリップ・ウルマンによってノーザンプトンで創業されました。彼はニュルンベルクでトイ・カンパニーを経営していたことがあり、後にドイツで一緒だったアルトゥール・カッツがメットトイに参加することになります。カッツは、南アフリカ生まれのドイツ人でした。

ディンキーは第二次世界大戦前からミニカーを生産していますが、コーギーが参入したのはずっと遅く、1956年の6月です。そしてこのことが大きな意味を持つことになります。1950年代のディンキーは、窓ガラスも、シートも付いていないようなモデルを作っていましたが、コーギーはプラスチック製のウインドやシートを付け、ほどなくサスペンションのスプリングや、ボンネットやトランクなどの開閉アクションを盛り込むようになりました。ボンネットの中にはエンジンが、トランクの中にはスペヤタイヤやプラスチック製の小さなスーツケースが収まり、人形や動物フィギュアまでが付属するようになって行きます。そこには「ミニチュア」と呼ぶにふさわしい世界観があり、まさにディンキーとコーギーの競争が、ダイキャストミニカーに次々と革新をもたらして行ったのです。

「コーギー」が意識した競争相手は「ディンキー」で、いわばこれは当初からの「仮想敵」だったわけですが、現実の市場ではもうひとつ、大きな脅威がありました。レズニー・マッチボックスです。
レズニーは、コーギーが市場参入する3年前の1953年から、「1-75」シリーズをスタートさせていました。

透明窓ガラス、インテリアなど、ディンキーを上回る「精密さと高品質」をコンセプトとしてスタートしたコーギー製品と、いかにも安価で、一体成型の車体に車輪を付けただけのような「マッチボックス」の製品とでは、当時「全く勝負にならない」と考えられたのもムリからぬことです。実際、1960年代の後半からは、玩具輸入の自由化によって「コーギー」「ディンキー」「マッチボックス」の製品は日本に輸入されていましたが、「精巧なミニチュカーと呼ぶべきものはディンキーやコーギーであり、玩具であるマッチボックスは収集の対象になりにくい」といった論評が公然と書かれていました。

しかし、コーギーやディンキーは、想像以上に、「マッチボックス」との競争に苦戦をしていくことになります。後の「エリゴール」「ミニチャンプス」などは子供を対象としていないコレクション用モデルカーですが、当時は「子供向けトイ」と「コレクター向け収集品」の違いは未分化で、売上の圧倒的な部分は「子供向けトイ」の部分が占めていました。「基本は子供向けのトイであるものを、大人が収集対象にしている」というところから、ミニカーコレクションは始まってるのです。

メーカーが、コレクション性を意識し、品質やアクションへのこだわりを持つようになるほど、生産の工程も増え、コストも上がるという問題に直面します。

一方でマッチボックスは、1-75シリーズの価格を統一し、いわば「その価格の範囲内でできること」に内容を限定して、あるモデルではボンネットが開いたり、あるモデルでは屋根上に荷物が載っている、といったバラエティを作って行きました。子供が買える値段であること、子供が家の手伝いをするともらえる小遣いで、1台ずつ増やしていけるバラエティがあることなど、顧客にとっての「買われ方」を考えた商品開発で、独自のマーケットを作っていったのです。




コーギーの小スケール・モデル市場への参入



ついに1964年、コーギー・メットトイは、マッチボックス「1-75シリーズ」に直接対抗するための、小スケールモデルのシリーズを投入します。これが「ハスキー」(HUSKY)です。

「コーギー」が小型犬であるのに対して、実際の製品は小スケール・モデルで構成されるシリーズに、大型犬である「ハスキー」という名前が選ばれました。ただしこれは、「ウールワース」(Woolworth)という、英国の小売チェーンの店舗でのみ、販売される商品でした。

「ハスキー」のシリーズは、当初から乗用車、トラック、バス、トラクター、ボートトレーラーなどが含まれていて、その構成はマッチボックスと非常に良く似ていたと言えるでしょう。

マッチポックスと大きく異なる点がひとつあって、それは当初から「ブリスターパック」というパッケージの形態を採用していたことです。これは、「ウールワース」での販売を目的とした商品だった、ということと関係があると考えられます。
レズニー・マッチボックスは、1番から75番までの品番を用意し、ある金型が絶版になった場合には、同じ品番に新製品を補充する、というシステムを採りました。(後に「トミカ」も同じ方法を採用しました。)売り場に75台を展示できるディスプレイを用意し、各品番の在庫を準備したわけです。つまり、専用の売り場/品番ごとのストック/顧客がオーダーした品番の在庫を探す販売員が必要だったわけです。

ウールワースはチェーンストアで、今でいう量販店の陳列・会計の方法を採っていたと考えられます。
中の商品が見えるブリスターとして陳列し、顧客が希望する商品を会計まで持って行くシステムにすれば、「ハスキー」専従の売り場や販売員を用意しなくてもすむ、というわけです。

商品の中身の見えるブリスター・パッケージは、当時はマッチボックスに対する差別化ポイントだったわけですが、今日のコレクターにとっては、全く別の問題をもたらすことになりました。
低価格で、その多くが子供たちの手に渡ったハスキー製品は、その多くがブリスターパッケージから出されて遊ばれたためにパッケージ入りモデルの現存率が低く、現在ではブリスターに入っているもの(ミント・イン・ボックス)はかなりの高値がつくことになりました。ネットオークションでは、むしろ英国内の方がブリスターの出品が少なく、米国の方が多いように感じられます。米国に渡った製品の方がコレクターによって保存され、英国内では子供たちによって遊ばれた結果なのではないでしょうか。

ブリスターカードのデザインは、赤/白に塗り分けられた斬新なものですが、最初期のものでは、ハスキー犬のシンボルが表示されていません。1969年には、ブリスターカードのベースカラーが黄色に変更になります。



ハスキーのシリーズは、順次製品が増やされていったようです。1967年(昭和42年)8月の『コレクター』誌
90号(ジャパン・ミニチュア・コレクター・クラブ会誌)の裏表紙(表4)の広告では、「36車種に増えました」との記述があります。当時の日本での販売価格は1台150円(アサヒ玩具取扱い)でした。
150円というのは、マッチボックスの1-75シリーズの価格と同じ(朝日通商取扱い)です。

当時、イタリアのリオや、フランスのソリドで、1,500円のクラシックカー・モデル(1/43)があり、異例の高額感がありましたから、150円というのはその1/10の価格ということになります。
現在で言うと、小スケール350円、1/43の精密感のあるモデルで、その10倍は3500円という換算ですから、その差にはそれほど違和感はないかもしれません。モデルペットが開閉アクションなどを導入して600円程度になっていました。つまりハスキー4台分です。


『コレクター』誌・71号 (1966(昭和41)年1月)
「特別あっせんコーナー」より


『コレクター』誌・90号の広告の写真を見る限り、ブリスターカードには、フック陳列用のホールのあるものと、無いものがあり、店舗側の陳列方法が過渡期にあることをうかがわせます。またバットモービルには「Husky Extra」のサブブランドが付けられています。1967年8月というと、既にコーギーはバットモービル/007アストンマーチン/UNCLEカーなどを、ディンキーはサンダーバード2号などを製品化し、TVキャラクターの商品化の波が押し寄せていた頃です。
ちなみにディンキーも1968年から小スケールのシリーズである「ミニ・ディンキー」を立ち上げましたが、それらはホンコン製のモデルで、ハスキーに比べれば注力度・影響力ともに大きなものとはなりませんでした。



「No.9」の「ビュイック・エレクトラ・ポリス」のブリスターカードの裏面には、「plated parts」「seats」「springing」「windows」の文字が見えます(上端の青い帯の中)。透明プラスチックの窓ガラス(windows)や、シート(seats)が付いていることがまだまだ「当たり前」ではなく、セールストークになり得たことが知れます。


「springing」は、サスペンションのことですが、このサイズでは驚きをもって迎えられた機構だったでしょう。また「plated parts」は、「メッキ部品使用」ということで、フロントとリアのグリル/バンパーに蒸着メッキが施されていることを言っています。60年代後半では、まだダイキャスト一体成型のボディの前後をシルバーで塗装したモデルが多かったですから、これも斬新な特徴のひとつだったと言えます。
ただし、フロントとリアのグリル/バンパーをメッキするために裏板パーツと一体化させたことで、裏板全体がプラスチックになりました。これは重量感という点では、マッチボックスに一歩を譲る原因となりますが、必ずしもコストダウンが原因ではなかったことになります。



激動に見舞われたその後

1970年までに、ウールワースとの独占販売契約は終了し、「ハスキー」から「コーギー」のブランドに統合されることになりますが、当初は「コーギー・ジュニア」(CORGI JUNIORS)がシリーズ名となりました。これによって、「コーギー・ジュニア」は、マッチボックスを販売している店舗でも併売されるようになったのですが、さらに様々な試練に直面していくことになります。



「HUSKY」から「CORGI JUNIORS」にブランド名が変わったパッケージ。
シンガポール航空のノベルティに使われたもののようで、SQのシールが貼られています。


1970年代に入ると、特に米国市場でのホットホイールとの競争が熾烈となり、マッチボックスを含めたあらゆる小スケールモデルが「スピードホイル化」の波に襲われます。コーギージュニアでも、「ウィズ・ホイールズ」(Whizzwheels)という名称で対応するとともに、専用のトラックシステム上でのレース遊びを念頭に、「コーギーロケッツ」というシリーズも加えられました。

標準スケールサイズのコーギーの製品ラインでは、60年代の後半から、ボンドカー、バットモービルなどの「劇中車」に注力するようになっていましたが、このコンセプトは小スケールサイズの「コーギージュニア」にも展開され、「バットマン」「スーパーマン」「スパイダーマン」「チキ・チキ・バン・バン」「モンキー・モービル」などのほか、「刑事コジャック」「スタスキー&ハッチ」「チャーリーズエンジェル」「サイモン&サイモン」などのTVシリーズ関連の「キャラクター車」が多く作られました。



「JUNIORS」がはずれて「CORGI」に統一されたパッケージ。
スーパーマン/バットマン等のキャラクターの付いたパッケージは、今でも米・英では根強い人気があります。


バットモービルのように、オリジナル金型で製作されているものもある反面で、既存のバンやトラックの金型に紙シールを貼り付けただけのものもあり、末期での市場対応の苛烈さをうかがわせます。

最終的には「コーギー・ジュニア」の「ジュニア」がはずされて「コーギー」のブランドに統合された後、1983年のメットトイの破産を迎えることになります。

1989年に「コーギー」は米国マテル社に買収されたため、「コーギー・ジュニア」の一部の金型はペイントとパッケージを変えて、マテルから発売されています。

1995年に「コーギー・クラシックス・リミテッド」となり、1999年には「Zindart」社によって買収。
2000年には再び英国に戻って、「デイズゴーン」や「バンガーズ」のブランドを糾合。
2008年に鉄道模型などを製作・販売して来た「ホンビー」グループに買収されて、今日に至っています。
2012年のロンドン・オリンピックにあたっては、ロンドンタクシーに各種目のピクトグラムをプリントした記念モデルのシリーズが、1/64サイズで作られました。これは「コーギージュニア」の子孫と言えるかもしれません。

したがって1995年以降の「コーギー・クラシックス」社は、「コーギー・ジュニア」を供給していた「メットトイ」社とは関係がありません。




コーギージュニアの評価

小スケールの分野では、圧倒的な種類/生産・販売量/バリエーションを誇るマッチボックスとホットホイールの狭間にあって、シリーズとしての存在感は、現在ではいまひとつ希薄と言えるでしょう。コーギージュニア専門の資料などにもあまり恵まれず、海外でも専門のコレクターというのは多くないものと思われます。

ひとつひとつのモデルを見ていくと、先にも書いたように前後のグリルやバンパーをメッキ化したために、裏板がプラスチックになってしまい、マッチボックスなどと比べても何となく「軽い」、「チープ」な印象につながることで損をしています。さらに後期のキャラクター車を含めて、シール貼りで増やしていったバリエーションが多いことも、クォリティ感を押し下げる原因になっていると考えられます。

しかしダイキャストミニカーのコレクションでは、バリューの基準は必ずしも「クォリティ」ではなく、稀少性にあることはご存知の通りです。
ハスキーの時代から、大半のモデルのブリスターは子供たちによって破られ、後期のモデルのシールは遊ばれるほどに脱落してしまいました。また、ドイツ、オランダ市場向けなどに、シールを替えたモデルが供給されたようで、それらのうちの状態の良いモデルの残存率もあまり高いとは言えないようです。

結果的に、ブリスターに入ったままの状態の良いモデル、ドイツなどの海外市場向けモデルなどは、生産数の多いマッチボックス以上の価格で取引されることがあります。特に、バットマン/スーパーマン関連などは、ブリスターカードにもキャラクターが描かれているために人気が高く、かなりの高額になることもあります。
近年になって、ホットホイールがこうした「キャラクターカード」のマネをするようになりました。

日本でもハスキー時代を含めて、基本的にそのほとんどが輸入されているはずで、「コーギージュニア」時代の一時期には日本語の箱も作られました。したがって国内に残っているものも多いですが、やはり意識的に収集している人は少ないようで、いまひとつ人気には恵まれないようです。海外での評価を基準にした価格設定でオークションなどに出品しても、日本国内では入札が入りにくいようです。

ある面「コーギージュニア」は、「時代に翻弄されたミニカー」という点ではマッチボックス以上であり、同じ金型を手を変え、品を変え、カラーやシールを変えて違う商品に仕立てたり、ドイツ語やアラビア語のシールを貼って現れたり、経営主体が変わった後に装いを変えて登場したりと、変わった話題を提供してくれます。ホットホイールのホイール替えは、コレクターに「もう1台探させる」ための策略ですが、コーギージュニアのバリエーションは、「何とか生き残ろう」としたことの苦闘の跡とも言えるでしょう。


今年は、ハスキーのシリーズが1964年に誕生してから丁度50年になります。
「マッチボックス」のブランドはマテル傘下で継続していますから、50周年・60周年の記念モデルが作られますが、どうやらハスキー50年を祝福してくれる当事者はいないようです。

私は50年前にもハスキーを手にしていたことがあります。
マッチボックスの軍用車のギフトセットと、ハスキーの軍用のタンクローリーを持っていましたが、つや消しのオリーブドラブの塗装、「U.S. ARMY」の白文字のデカール、メッキされた裏板などに、マッチボックスとは全く違ったカルチュアを感じたのを覚えています。ただ、マッチボックスの英国軍用車群が、そのために開発された重厚な金型であったのに対して、ハスキーの油槽車は民間用のローリーの流用であるのが、薄々わかってしまったものです。

50年というスパンの中で、小さなオモチャのシリーズのたどった軌跡を辿っていく楽しみを味わってみたいと思っています。(2014/8/3)


Bill Manzke によるハスキーとコーギージュニアだけに特化した資料本の裏表紙。
メットトイ破綻後に作られた、ビュィック・リーガル・ポリスカーの、屋根上灯やホイル違いのバリエーションなどで、この写真を見た時にはどうしようかと途方に暮れたものですが、概ね集まって来ました。(このページの冒頭の写真です。)



BIBLIOGRAPHY

-Corgi Juniors & Husky Models, A Complete Identification and Price Guide by Bill Manzke, A SchifferBook for Collectors, 2004

-Corgi Toys by Dr.Edward Force, 3rd edition with updated value guide & consolidated Mettoy era variationlist reveised by Bill Manzke, A Schiffer Book for Collectors, 1977

-Encyclopedia of Small-Scale Diecast Motor Vehicle Manufactures by Kimmo Sahakangas, Dave Weberand Mark Foster, Iconografix, 2006


上の参考文献のところで紹介した、Bill Manzke の本では、各所の写真に「Photo Courtesy of Wolfgang Gehrt/Gooddies Old Toys」の注記があります。英国製コーギージュニアのコレクションの写真提供者がドイツ人なので、何となく記憶に残っていました。

VW-T1のモデルを探している時に、テクノの梯子トレーラーを引いたVW-T1消防車と、ヴィーキングの1/40消防を買ったのですが、その店の名前が「Goodies Old Toys」、店主がヴォルフガング・ゲールトでした。

ひょっとして、シファーのコーギージュニアの本に写真を提供していますか? と聞いたところが、やっぱりそうでした。テキストは全てビルが書き、彼は写真提供だけをしたそうです。

ハスキーとコーギージュニアの新しい本を出したいと思っているのだけれど、前の本を出して以来たくさんのことがあって、残念ながら時間がないのだ、ということでした。
ビルはモデルを手放し始めていて、ヴォルフガングがそれを買っているんだそうです。

コーギージュニアの日本語版ボックスを依然、探しているんだけれど…と言われたのですが、残念ながら日本でも、もはやそうそうは出て来ないんですよ、と伝えました。(2015/11/1)


※以下で、タイトルの冒頭の【 】内の2桁の数字は、後で掲載の順番を整理するための便宜上のものです。
   【 】内の2桁の数字を除いた、それ以降がモデルとしての品番(バリエーションナンバー)になります。
  ただしコーギージュニアは経営主体が変遷しているので、これらは後にコレクターが便宜的に体系化したものです。





【92】 196-A1 Police Van, Mettoy Era
もとは「91-B」の「Vantastic Custom Van」(1980〜1981年の生産)で、資料では「カスタマイズド・ダッジ・バン」だとしています。

同じ品番の「91-A」がシボレーの「ゴールデン・イーグル・バン」だったため、「91-B」もシボレーだ、としている出品がありますが、金型は全く別のものです。

アメリカ市場を向いた商品だったのでしょうが、そもそも「Vantastic Van」などというネーミングがどうかしていますね。

これを白塗りにし、「Police Tactical Force」のシールを貼って「ポリス・バン」として、1983年から、同年のメットトイの終焉まで売られました。「91-B」のシールのバリエーションではなく、「196-A」という、ポリス・バンとしての独自の品番を与えられています。

そういう経緯もあって、生産数はあまり多くないのかもしれません。
ブリスター・カードの著作権表示も「1983年」になっています。

裏板はメッキしたメタル、ブランドは小文字「corgi」、ホイルは「ダブル・スポーク」、英国製。



White painted body, NO roof light, dark smoke windows,  NO interior, 'POLICE' 'TACTICAL FORCE' with blue and red stripes label, chrome plated metal 'corgi' base plate with 'double 5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【93】 90374 Land Rover One Ten Fire, after the bankruptcy of Mettoy
ランドローバー・ワン・テンを赤塗装し、消防車輌としたもの。

全てメットトイ破綻後の生産のようで、「J97」がイギリス製、この「90374」は中国製裏板です。

白の「ポリス」もありますが、これも「J66」でメットトイ破綻後の製品です。

裏板はプラスチックで大文字「CORGI」に車名なし、ホイルは「フォー・ディビジョン」。

これも市場に出て来る数は多くないように思います。



Red painted body, NO roof light, clear windows, black interior, 'EMERGENCY FIRE' with white warning diagonal line tempa, black plastic 'CORGI' base plate with 'four division' wheels, CHINA casting.

【94】 9-C5b Police Range Rover, Mettoy Era
メットトイ時代に戻り、1973年〜1980年に生産された、レンジローバーのポリス。

おおまかには白塗装のものがポリスなのですが、側面のラベルに、初期の王冠エンブレムのあるもの、オレンジのストライプの長いもの、短いもの、シート色に赤と黄色、ホイルでファイブスポークとダブルスポーク、といったバリエーションがあり、それらの組み合わせで大変な数の種類になります。

その他に赤やオレンジ塗装の「レスキューチーム」、メットトイ破綻後に屋根上にラックを載せた、赤塗装の「マウンテンレスキュー」などが作られました。

これは、黄色シート、ショートストライプ、5本スポークのものです。
英国製。


White painted body, transparent blue dome lights and windows,  YELLOW interior, 'POLICE' with fluorescent orange short labels, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with '5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【95】 9-C6 Police Range Rover, Mettoy Era
同じく、メットトイ時代のレンジローバー・ポリス
違いはシートが赤いこと。ウインド部品も紫味の強いものですが、これは一括して「ブルー・ウインド」とされており、バリエーションとはみなされないようです。

シールはショートストライプ、ホイルは5本スポーク、英国製。



White painted body, transparent blue dome lights and windows,  RED interior, 'POLICE' with fluorescent orange short labels, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with '5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【96】 J59a Range Rover Mountain Rescue, after the bankruptcy of Mettoy
レンジローバーを赤塗装し、ルーフラックを載せて「マウンテン・レスキュー」としたもの。

資料では、「J59」の番号を与えられており、メットトイ破綻後の製品と解釈できますが、裏板は「CORGI JUNIORS」になっており、この点、矛盾します。「CORGI JUNIORS」の裏板を「CORGI」に直さずに、そのまま使い続けた、ということでしょうか。

ホイルに「ファイブ・スポーク」のもの、ウインドにアンバーのもの(画像のモデルでは薄いブルー)、などがあるようです。

ホイルはダブル・スポーク、英国製。


Red painted body, NO roof light, transparent light blue windows,  white interior, 'MOUNTAIN RESCUE' with beige band and red cross tempa, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with 'double 5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【97】 J24b Ford Transit Wrecker, after the bankruptcy of Mettoy

メットトイ時代に品番「103-A」として1981年からメットトイ終焉まで生産されたフォード・トランジットのレッカーを、破綻後に「レスキュー」使用としたもの。

ブリスター3台パックに同梱されていたものを既に掲載していますが、その固体はホイルが「エイト・ディビション」、ブルー・ウインドだったのに対して、これは5本スポーク、透明ウインドになっています。
こういう違いは、コーキー・ジュニアの緊急車の全てについて求めて入手しているわけではなく、「たまたま」違っているものを見つけた、というだけです。

資料では、ブルーウインド/ファイブスポークを「J24b」、透明ウインド/ダブルスポークを「J24c」としているので、この個体は結局どちらでもないことになります。
その都度納品されたパーツで組み立てられていたのだろうと思われます。

「Corgy Toys Ltd.」期になって、裏板がダイキャストに置き換えられているものがありますが、これはプラのままです。英国製。

From 'Corgy Toys Ltd.',after the bankruptcy of Mettoy.
White painted body, red bar light, CLEAR windows, Red boom, 'RESCUE 108' with blue outlined red stripes tempa, 'black plastic 'corgi' base plate with '5-spoke' wheels, CHINA casting.

【86】 J58/03a Ford Sierra 2.3 Ghia Police Car(Dutch police)
メットトイ破綻後の「フォード・シェラ2.3ギア」で、オランダ警察仕様のもの。

ポルシェ・タルガと同じ「RIJKSPOLITIE」のマーキングを、ボンネット先端に付けています。

不思議なのは、これも裏板で「CORGI」のブランドを消しており、ノーブランドになっている点です。

ホイルは「フォー・ディビジョン」、英国製をキープ。

同じペイントで、ホイルが「エイト・ディビジョン」のものもあります。



White painted body, blue bar light, clear windows,  red interior, 'RIJKSPOLITIE' tempa, black plastic WITHOUT 'CORGI'  base plate with '4 division' wheels,  Great Britain casting.

【87】 J6c Rover 3500 Police Car, after the bankruptcy of Mettoy

ローバー3500の英国ポリス。
一見、フォード・シェラ2.3ギアと良く似ているのですが、全く別のクルマです。

メット・トイ時代の1980年に発売、メットトイ終焉の1983年10月まで「16-C」の品番で売られました。メットトイ破綻後の1984年4月に「Corgy Toys Ltd.」から再販されました。

裏板がダイキャストになり、重量感は増加。これはポルシェと同じです。再販後は品番が「J6」になります。画像のモデルは再販後のものです。

リアゲート開閉のアクションがありますが、リア・ウインドの透明パーツはは最初から着けられていないようです。
ホイルはダブルスポーク、英国製。

1970年代の後半から、英国の警察ではローバー2600、SDI 3500などが実際に使われていて、3500はそのまま3.5リッター・エンジンを意味します。この時代の英国ポリスらしい、クルマです。

From 'Corgy Toys Ltd.',after the bankruptcy of Mettoy.

White painted body with orange hood, transparent yellow(umber)roof light, clear windows,  red interior, 'POLICE' 'H587' with orange stripes tempa, black painted metal 'corgi' base plate with 'double 5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【88】 J6c Rover 3500 Police Car, after the bankruptcy of Mettoy

同じく、メットトイ破綻後のローバー3500の英国ポリス。

ホイルがファイブ・スポーク、屋根上灯が不透明の青のものです。

屋根上灯青・ダブルスポークで、赤シートのもの、クリーム・シートのものもあります。

屋根上のコールサインのプリントが消えかかってしまっていますが、これは同じ「H587」です。
コーギージュニアは、良い状態のもので揃えるのはなかなかむずかしいです。


From 'Corgy Toys Ltd.',after the bankruptcy of Mettoy.

White painted body with orange hood, OPAQUE BLUE roof light, clear windows,  red interior, 'POLICE' 'H587' with orange stripes tempa, black painted metal 'corgi' base plate with '5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【89】 J6d Rover 3500 Police Car, after the bankruptcy of Mettoy

同じく、メットトイ破綻後のローバー3500のポリス。

側面が濃紺でアウトラインされた黄色のストライプ、クリーム・シート、5本スポークのもの。
ダブル・スポークのものもあります。

かなりおとなしいカラーですが、デキは悪くないと言えます。


From 'Corgy Toys Ltd.',after the bankruptcy of Mettoy.

White painted body, OPAQUE BLUE roof light, clear windows,  cleam interior, 'POLICE' 'E129' with dark blue outlined yellow stripes tempa, black painted metal 'corgi' base plate with '5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【90】 J47B Volvo 760 police car(Swedish police)

メットトイ破綻後の「ボルボ760」で、スウェーデン警察仕様。
この金型は、全バリエーションがメットトイ破綻後に作られたもののようです。

これもノーブランドですが、「corgi」を後になって消した、というレベルではなく、裏板は「MADE IN GT.BRITAIN」以外、車名すらなく「まったいら」です。
同じ金型の「赤十字車」では、裏板のセンターに「CORGI」の文字がありましたので、異様な感じがします。

メットトイ終焉後の「Corgi Toys Ltd.」から離れた時期のものか、あるいは「Corgi Toys Ltd.」時代に他社にOEM供給したものかの、どちらかでしょうか。1989年には「コーギー」は米国マテル社に買収されることになります。
ホイル「フォー・ディビジョン」、英国製。

同じプリントで「CORGI」ブランドを付けたものもあるようです。
繰り返しになりますが、メットトイ時代のロゴは「corgi」または「CORGI JUNIORS」、破綻後の「Corgi Toys Ltd.」時代は大文字「CORGI」が基本です。

White painted body, blue bar light, clear windows,  black interior, 'POLIS' with blue and yellow stripes tempa, black plastic WITHOUT 'CORGI' base plate with '4 division' wheels,  Great Britain casting.

【91】 56-A Ford Capri Fire Chief Car

メットトイ時代の「コーギー・ジュニア」。

フォード・カプリのファイアチーフで、ボンネットに白のペイントがなく、全体が赤1色のもの。

ボンネットが白のものに、ホイルやシールのバリエーションがあり、赤ボンネットのものはバリエーション番号が確認できませんでした。

裏板は、ダイキャストを白く塗ったものです。「ボルボ760」と比べると、やはり生産時期の違いを感じます。
ホイルは「ダブルスポーク」、英国製。


Red painted body, RED hood, blue dome light and windows,  yellow interior, 'FIRE CHIEF' label, white painted metal 'CORGI JUNIORS'l base plate with 'double 5-spoke' wheels,  Great Britain casting.





【81】 J82a Volvo 760 Ambulance
メットトイ終焉後の「Corgi Toys Ltd.」時代の製品。
J47でボルボのポリスカーとして出たものを、アンビュランス(ドクターカー)に転用したもの。
裏板のモールドは大文字の「CORGI」、英国製。
裏板には車名の表記が何もありません。

このモデルはダブル・スポークを付けていますが、ファィブスポークや、フォー・ディビジョンのものもあります。


1966年初出のスチュードベーカーの救急車とどうしても比較したくなってしまいます。
市場環境、ユーザーの嗜好、コスト政策など、色々な変化はあると思いますが、モノとしてのクォリティとして見た時に、「ムカシのものは良かった」と思わせてしまうのは、やはり何か問題があるのではないかと思います。
「CORGI」のモデルである必然性が何もなくなってしまっているように感じます。

例えば、トミカ・リミテッド・ヴィンテージでモデル化された60〜70年代の国産車を見る時に、モデルペットや初期トミカなどと比べて「別のコンセプトによるモデル」になっており、細部の再現などで技術的な進化も感じることができるのですね。コーギージュニア(ハスキー)の初期と末期を比べた時に、そうした何かの「進化」の痕跡がありません。もっともそれが、ブランドやシリーズとして残らなかった原因ということなのでしょうが…。その時々で、ただただ「売れるもの」だけに寄り添って行ってはいけない、ということを教えているように思います。

White painted body, no roof light, clear windows,  black interior, 'AMBULANCE' with red stripe and red cross tempa, black plastic 'CORGI'l base plate with 'double 5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【82】 J58-b Ford Sierra 2.3 Ghia Police Car

129-Aのフォード・シェラ(1983年10月からの生産)をポリス仕様としたもの。

裏板は「CORGI JUNIORS」ではなく、小文字の「corgi」、英国製をキープしています。。
Bill Manzke による資料本のリストでは、生産年次を「1985?」としており、1983年のメットトイ破綻後、ということになります。

画像のモデルのホイルはシングルのファイブ・スポークですが、ダブルのファイブ・スポーク、エイト・ディビジョン、フォー・ディビジョンのものもあります。

「フォード・シェラ」は、コーティナとタウヌスの後継車として、1982年10月からドイツ/イギリスを中心としたフォード欧州部門が生産した中型車で、1993年まで生産されました。「ギア」はその上級版です。1983年というミニカー(民間型)発売のタイミングは、ほぼ実車発売後すぐだったことになります。
Bill Manzke のリストでは、民間型乗用車ミニカーの生産は1983〜1983年10月となっており、発売後ほどなくしてメットトイの破綻を迎えた不運の金型ということになります。

「207-A」のジャーマン・ポリツァイ、「208-A」のドクターカーは、メットトイ時代の最後に乗用車版と並行して生産されたもので屋根上灯がドーム型の2灯、プラ製の大きなバーランプを載せているものはメットトイ破綻後、ということになりそうです。

White painted body, blue bar light, clear windows,  red interior, 'POLICE' with blue outlined red  stripe tempa, black plastic 'corgi' base plate with '5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【83】 J58-b Ford Sierra 2.3 Ghia Police Car
同じく「フォード・シェラ2.3ギア」のポリスカーで、ダブル・ファイブ・スポークのホイルを付けたもの。

裏板は小文字「corgi」、英国製。

画像のモデルは、裏板の左後部が破損して失われています。

White painted body, blue bar light, clear windows,  red interior, 'POLICE' with blue outlined red stripes tempa, black plastic 'corgi'l base plate with 'double 5-spoke'wheels,  Great Britain casting.

【84】 J58-b Ford Sierra 2.3 Ghia Police Car
「フォード・シェラ2.3ギア」のポリスカーで、ホイルはダブル・ファイブ・スポーク。メットトイ破綻後のものですが、何と裏板の「corgi」がメクラでつぶされて、ノーブランドになっています。これをどう解釈すればいいのでしょうか。ノーブランドにしてOEM供給でもしたものでしょうか。
英国製はキープしています。

他のバリエーションとセットになっていたものを買ったもので、これだけは同じプリントがダブってしまったな、と思っていたのですが、裏返してみると「corgiなし」という変種でした。こんなこともあるものです。



White painted body, blue bar light, clear windows,  red interior, 'POLICE' with blue outlined red stripes tempa, black plastic WITHOUT 'corgi'l base plate with 'double 5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【85】 208-A1b Ford Sierra 2.3 Ghia Doctor Car

「フォード・シェラ」で、ドイツ仕様のドクターカー(ノートアールツト)としたもの。
1983年からメットトイ終了(1983年10月)まで生産されました。
メットトイ最末期に開発された「コーギー・ジュニア最後の良心」というところです。

裏板は小文字「corgi」、英国製。上に書いたように「メットトイ破綻後」は屋根上灯がバーランプですが、メットトイ時代最後に作られたドクターカーはダブルのドームライトになっています。
裏板はプラスチックで、茶色がかったダークグレイですが、黒のものもあります。

メットトイ最末期には「207-A1」で、白ボディにグリーンのボンネットのドイツ警察(POLIZEI)仕様も作られました。
メットトイ末期には、ドイツ市場が重視されていたようで、現在でもドイツのネットオークションには、かなりの数の「コーギージュニア」の出品があります。ドイツ市場向けと言ってもこうしたドイツ仕様・ドイツ語マーキングのものはむしろ少数で、ほとんどはインターナショナル汎用の商品で、「コジャック・ビュイック」や「スタスキー&ハッチ・グラントレノ」のようなキャラクター車も含まれていました。

White painted body, two blue dome lights, light blue windows,  red interior, 'NOTARZT' with red band and red cross tempa, dark grey plastic 'corgi' base plate with 'double 5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【74】 37-B1a Porsche Carrera Polece Car
「911カレラ」系のポリスカーで、1976年から1980年の生産。
裏板は「ポルシェ・カレラ」のみの表記で、「911」という表現はありません。

画像のモデルは初期のバリエーションで、ブルーのウインド、赤シート、ダブル・スポークのホイルに、英語「POLICE」の紙シールをドア・サイドに貼ったもの。
シールが紙であることが災いして、脱落してしまったものも多いです。その場合は全身真っ白の姿になっています。

裏板はプラスチックで、同時期のマッチボックスなどと比べても、何となく「軽いポルシェ」になっているのは否めません。
屋根上灯はウインドと一体パーツ。
裏板は「CORGI JUNIORS」、英国製。
同一のラベル、シートカラーで、ホイルが「ファイブ・スポーク」のものもあります。

White painted body, light blue roof lights and windows,  RED interior, 'POLICE' with red and blue band label, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with 'double5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【75】 37-B2 Porsche Carrera Polece Car
シートを黄色に替えたもの。
ライトブルーのウインドのせいで、シートは妙な黄緑色に見えます。
ホイルは「ダブル・スポーク」、裏板は「CORGI JUNIORS」、英国製。

裏板にパテント・ナンバー(PAT NO)の刻印があり、赤シートのものではそれがフロント側になっているのですが、この黄色シートのものではリア側になっています。つまり裏板は前後対象形で、前・後ろ、どちらにでも付けられる、ということのようです。
これをバリエーションとみなしている資料もありましたが、シート色と関連したバリエーションではなく、固体ごとに両方があるものと思われます。


White painted body, light blue roof lights and windows,  YELLOW interior, 'POLICE' with red and blue band label, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with 'double 5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【76】 37-B1b Porsche Carrera Polece Car
「911カレラ」系のポリスカー、英国向けシールのうち、シングルのファイブ・スポークのホイルを付けたもの。

これがなかなか出て来なくて、ポルシェ6点をアップした前回の更新に間に合っていませんでした。
「ポルシェのポリスカー」のページの方で先に画像デビューしています。

こうして見ると、高い車高、大きなボディ、のっぺりした白ボディ、大きな紙シール、といういでたちは、他社のポルシェ・モデルと比べても、「コーギーの栄光」を感じさせるデキとは言えないモデルですが、「オモチャのクルマ」として憎めないところを持っているようです。

通常のサイズのカードを持たない、小さなサイズのブリスターにパックされています。



White painted body, light blue roof lights and windows,  RED interior, 'POLICE' with red and blue band label, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with '5-spoke'wheels,  Great Britain casting.

【77】 37-B4a Porsche Carrera Polece Car
シート色は赤、側面のラベルを蛍光オレンジの別デザインにしたもの。
現在市場に出て来る数から言うと、このラベルを貼ったものの方がずっと少ないです。

パテント・ナンバーがフロント側のものを「37-B4a」、リア側のものを「37-B4b」としている資料があったため、それに準拠しましたが、上にも書いたように、これは固体ごとにバラバラかもしれません。前後どちらにでも付けられるのであれば、いちいち方向を見ながらカシメ作業をするとは思えないからです。

ホイルは「ダブル・スポーク」、裏板は「CORGI JUNIORS」、英国製。



ブリスターカードはかなり傷んでいますが、パッケージに入っていたおかげで、剥がれやすいシールが良い状態で残っています。右上に「2.50ドイツマルク」の表示があります。

「Unverbindliche Preisemfehlung」(ウンファービントリッヒェ・プライスエンフェールング)の表記があります。「unverbindlich」は「拘束力の無い」、「Preisemfehlung」は「メーカーの指定する小売価格」ということで、「希望小売価格」の意味です。

ドイツマルクが通貨だったのは1998年12月31日までですが、メットトイは1983年に破綻しているので、このパッケージは当然1983年以前、ということになります。

1989年の対円レートで、だいたい1DM=70円、2.50DMだと175円ですね。翌年1990年には1DM=95円ぐらいまで下がっています。そうすると2.50DM=240円です。

最初に見た時は、流通店側でスタンプでも押したのかと思いましたが、オフセット印刷がかかっているように思います。「希望小売価格」という趣旨から言って、メーカー(メットトイ)側で印刷したものでしょう。カード表・裏には、「36か月以下の乳児には向きません」云々以外は、ドイツ語の表記はなく、英語・仏語の併記です。ドイツ市場に出しているわりには、ラベルが「POLIZEI」になっていないのが不思議です。この蛍光オレンジのラベルのものは、英国以外に向けたものかもしれません。以前に「日本には送りません」になっていた出品はフランスからでした。

White painted body, light blue roof lights and windows,  RED interior, 'POLICE' on fluorescent orangelabel, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with 'double 5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【78】 37-B5 Porsche Carrera Polece Car
こちらは、カラーもドイツ向け「POLIZEI」仕様としたもの。
ボンネットのグリーンは塗装ですが、ドア・サイドはグリーンで印刷した紙シールを貼り付けてあります。

ブルーのウインド、赤シート、ダブル・スポークのホイルは、「37-B1a」と同じ。
パテント・ナンバーは後ろ側。

コーギー・ジュニアは、メットトイの末期には、ドイツ仕様にしたものが増えて来ます。
他ブランドとの熾烈な競争の活路をドイツ市場に求めたのでしょうか。と言うより、販路を少しでも拡げたかった、という気持ちが伝わって来ます。

裏板は「CORGI JUNIORS」、英国製。


White painted body with mint green hood, lights blue roof light and windows,  RED interior, 'POLIZEI' label on door, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with 'double 5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【79】 J69 Porsche Carrera Polece Car
「37-B5」と良く似ていますが、メットトイ・コーギー終焉後のモデルで、「Corgi Toys Ltd.」によるもの。1988年1月の発売。パッケージの著作権表示は1984年ですが、これは著作権が「Corgi Toys Ltd.」に移った年、ということでしょう。

屋根上灯が廃止され、何故か裏板がプラスチックから、黒塗装されたダイキャスト製のものに変わります。
ドア・サイドも紙シールではなくプリントになり、ボンネットにも「POLIZEI」の文字が再現されるようになり、落ち着いた黒シートと透明クリアのウインドを付けています。パッケージには「911」が明記されるようになりました。

経営主体が変わって、少なくともこのポルシェに関しては、クォリティが上がっています。
それが、ブランド・コンセプトの保持も含めて、継続して行かなければいけないのですけれど。

裏板は「CORGI」、ホイルは「ダブル・スポーク」、英国製をキープしています。
ホイルが「エイト・ディビジョン」のものもあります。


パッケージに貼ってある値札は「75ペンス」になっています。1971年の十進法移行以降は1ポンドが100ペンスなので、3/4ポンドということになります。1990年の1ポンドの対円レートが250円ぐらいなので、75ペンスで190円ぐらいでしょうか。
ドイツ向け仕様でありながら英国通貨での価格表示なので、後年に貼られたものかもしれませんが、いずれにしてもあまり高い価格ではありません。


White painted body, no roof light, clear windows,  RED interior, 'POLIZEI'withmint green hood and doors tempa, black painted METAL 'CORGI' base plate with 'double 5-spoke' wheels,  Great Britain casting.

【80】 J99/02 Porsche Targa Police
メットトイ終焉後の「Corgi Toys Ltd.」時代の製品。
「911カレラ」とは別金型の「911 SC タルガ」を、オランダ警察仕様としたもの。
オランダ警察は「356」の時代からポルシェを導入しており、「911タルガ」も実際にを運用していました。「16」番を付けた車両の写真も残っています。

ボンネットおよびドア・サイドのマーキングは、シールではなくプリント。「RIJKSPOLITIE」は「国家警察(National Police)」の意味です。

裏板は「CORGI」、ホイルは「フォー・ディビジョン」、英国製をキープ。
裏板はプラスチックですが、全体はなかなか良いデキです。
同じ仕様で「CHINA」裏板を付けたものもあるようです。

White painted body, no roof light, clear windows,  black interior, 'RIJKSPOLITIE' with orange hood and doors tempa, black plastic 'CORGI' base plate with '4-division' wheels,  Great Britain casting.





【01】 9-A1 Buick Electra Police Car from HUSKY
ハスキー最初期のモデルで、1964〜68年の生産。
品番「7-A」の「ビュイック・エレクトラ・ゼタン」をダークブルーに塗り、ポリスカーとしたもの。

シリーズのスタート直後に商品ラインを増やすために、よく取られたバリエーションづくりの手法です。
マッチボックスの「フォード・フェアレーン」(1963〜66年の生産)同様、自国・英国のポリスカーではなく、アメリカ車でポリスカーを作っているところに、米国市場優先の意識がうかがえます。

小スケールミニカーでビュィックのポリスカーというと、ハスキー〜コーギージュニアの「エレクトラ」と「リーガル」、レーシングチャンピオンが「87年式グランナショナル」など数種、マイストが「ル・セーバー」、ジョニーライトニングが「GSX」、そしてマテル・マッチボックスが最近になって1956年式「センチュリー」を作るなど、なかなかの種類があります。

屋根上灯は透明ですが、赤色のものもあります。
ホイルはスピードホイル化以前のもの。側面の「POLICE」は、紙シールではなくデカールのようです。裏板は「HUSKY」、英国製。

DARK BLUE painted body, CLEAR dome light, clear windows, light yellow interior, 'POLICE' on side decal, 'HUSKY' base plate with dark gray wheels, Great Britain casting.

【02】 9-A2 Buick Electra Police Car from HUSKY
「9-A」のビュィック・エレクトラのポリスカーですが、ボディのブルーは一見して明るい色調で、屋根上灯は赤いものを付けています。ただし頂部は剥げているので、透明赤のブラスチックを使っているわけではなく、クリアレッドで塗装されていることが知れます。

それでは、屋根上灯が透明のものは、赤塗料が剥げてしまったのかというと、明らかに最初から塗られていないように見えます。


ドクター・エドワード・フォースの1997年の著書巻末のリストでは、「9-A」には「1. Dark blue body」とあるのみで、ボディ塗色にも、屋根上灯の色にもふれられていません。2004年のビル・マンツケの著書では、「9-A2」として、「Royal bluebody (darker shade of blue )」の記載があり、屋根上灯にはふれられていません。「ロイヤル・ブルー」というのは、英国国旗のブルーに起源を持つ色で、英国機の国籍標識などに使われて来た色です。

やはりマッチボックスに比べるとと、バリエーション・リストもまだまだ未整備であることが知れます。
それと、ネットオークション上の画像では、同じ色が明るく写ったりすることがあるので、ご注意ください。明らかに違う色調のものだと確信できるもの以外は、購入しない方が無難と言えます。

ROYAL BLUE painted body, RED PAINTED dome light, clear windows, light yellow interior, 'POLICE' on side decal, 'HUSKY' base plate with dark gray wheels, Great Britain casting.

【03】 17-D1 Buick Regal Superman City of Metropolis Police Car, Mettoy era
コーギー・メットトイ時代のビュイック・リーガルのポリスカーで、「スーパーマン」の「メトロポリスPD」のポリスカーに仕立てたもの。
1979の登場で、1983年のメットトイ終焉まで作られました。60年代の「エレクトラ」に続いて、また「ビュイック」でポリスカーが作られました。

映画「スーパーマン」の劇中にこうした塗装の「ビュイック」のポリスカーが登場している形跡はなく、もともと「コジャック・ビュィック」のキャラクター車だった金型を、別のキャラクター車に仕立てた、という稀有な例と言えるでしょう。映画では「メトロポリス」の設定はニューヨークで、ニューヨークの風景を映し続けているのは、ご存知の通りです。

バリエーションは多く、これは塗装がメタリックのダークブルー、「ダブルスポーク」のホイルを履いたもの。
裏板モールドは「CORGI JUNIORS」、テールライトにはオレンジの塗装があります。英国製。
ボデイは全く同一の仕様で、「ファイブスポーク」のホイルを履いたものもあります。
METALLIC DARK BLUE painted body, white roof, red dome light, transparent yellow (amber) windows,chrome plated interior, 'POLICE' onside and 'CITY OF METROPOLIS POLICE DEPT' in shild on hood label,ORANGE taill ights, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with DOUBLE 5-SPOKE wheels, Great Britain casting.

【04】 7-D1 Buick Regal Superman City of Metropolis Police Car, Mettoy era
「スーパーマン」の「メトロポリスPD」のビュイック・ポリスカーで、ボディ塗装はメタリック、ホイルが「ファイブスポーク」を履くもの。
シートが金色に見えますが、実際はクロームメッキで、窓ガラスに黄色の色が付いているために金色に見えています。

資料では、バリエーション番号は「17-D1」のままで、ホイル違いは識別されていないようです。
裏板モールドは「CORGI JUNIORS」、テールライトはオレンジの塗装、英国製。


METALLIC DARK BLUE painted body, white roof, red dome light,transparent yellow (amber) windows, chrome plated interior, 'POLICE' onside and 'CITY OF METROPOLIS POLICE DEPT' in shield on hood label, ORANGE tail lights, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with 5SPOKE wheels, Great Britain casting.

【05】 17-D2 Buick Regal Superman City of Metropolis Police Car, Mettoy era

「スーパーマン」の「メトロポリスPD」のビュイック・ポリスカーで、ボディ塗装がメタリックでなくなり、ブルーの色調も明るくなりました。
塗料がメタリックでなくなると、若干でもコストが下がるのかなぁ、と勘繰ります。
画像ではブルーがかなり明るく写りますが、実際はメタリックブルーのモデルと、それほど大きな明度差はありません。

ボディがメタリックの前期生産分を「17-D1」、メタリックでなくなった後期生産分は「17-D2」以降になります。

テールライトのオレンジの色差しはなくなりました。
裏板モールドは「CORGI JUNIORS」、ホイルは「ダブルスポーク」、英国製。

BLIGHT BLUE painted body, white roof, red dome light, TRANSPARENT YELLOW(AMBER) windows, chrome plated interior, 'POLICE' on side and 'CITYOF METROPOLIS POLICE DEPT' in shiled on hood label, BLUE tail lights, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with DOUBLE 5-SPOKE wheels, Great Britain casting.

【06】 17-D4a Buick Regal Superman City of Metropolis Police Car, Mettoy era

「スーパーマン」の「メトロポリスPD」のビュイック・ポリスカーで、ボディはメタリックでないもの、ウインドが透明、テールライトのオレンジの色差しあり、というバリエーションです。

テールライトがブルーのままのものは、前掲の「17-D4b」になります。
ネット上の出品で、テールライトの画像や説明を付けておいてくれる出品者は、まずありません…。
裏板モールドは「CORGI JUNIORS」、ホイルは「ダブルスポーク」、英国製。

このほか、屋根の白塗装を省略したもの(17-D5)もあるようです。

BLIGHT BLUE painted body, white roof, red dome light,CLEAR windows,chrome plated interior, 'POLICE' onside and 'CITY OF METROPOLIS POLICE DEPT' in shield on hood label, ORANGE tail lights, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with DOUBLE 5-SPOKE wheels, Great Britain casting.

【07】 28-C1a Buick Regal Police Car, Mettoy era
ビュイック・リーガルのポリスカーで、時期的には「コジャック・ビュイック」より後の派生バリエーションと考えられます。何故かと言うと、屋根上の赤色灯が左側(運転席側)にオフセットしていますが、これは私服の捜査用パトカーである「コジャック・ビュイック」の着脱式回転灯の名残りと考えられるからです。「28-C」としての生産時期は、1977〜1979年。

側面の「POLICE」マーキングは、印刷でもデカールでもなく、紙シールですが、マッチボックスも紙シールを多用しているので、これだけで品質を云々することはできないでしょう。

シートが金色に見えますが、ウインドに黄色い色が付いているためで、シート自体は銀メッキです。黄色の透明パーツのことを英文で「amber」と表現したものがありますが、「琥珀色」の意味で、綴り違いの「umber」だと「土色」で、まったく違う色(濃い茶色)になります。私は当初これを間違えていて、マッチボックス図鑑などで「umber」と書いたものがあるはずです。
テールライトが赤で塗装されています。ホイルは「ダブルスポーク」(ファイブ・ダブル・スポーク)、英国製。
側面のラベルに盾のエンブレムが無いもの(28-C1c)もあります。

White painted body, black roof, red dome light, transparent yellow(amber) windows, chrome plated interior, 'P/D POLICE' labels, red tail lights, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with DOUBLE SPOKE wheels, Great Britain casting.

【08】 28-C1b Buick Regal Police Car, Mettoy era

白ボディ・黒ルーフのビュイック・リーガルのポリスカーで、ホイルがシングルの5本スポークのもの。

こんなもののホイル違いをアメリカやイギリスのサイト上で物色している物好きな日本人はあまりいないものと自負しています。
屋根上にキズがあり、子供に遊ばれたモデルであることを物語ります。この種のホイルやシールのバリエーション探しでは、状態の良いものを選んでいる余裕はありません。

「28-C」としての生産時期は、1977〜1979年。テールライトの赤塗装あり、英国製。

White painted body, black roof, red dome light, transparent yellow(amber) windows, chrome plated interior, 'P/D POLICE' labels, red tail lights, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with 5 SPOKE wheels, Great Britain casting.

【09】 28-C Buick Regal Sheriff's Car, Mettoy era

白ボディ・黒ルーフのビュイック・リーガルのポリスカーで、ホイルが5本スポーク、側面のシールが「SHERIFF」のもの。
実は資料にも「SHERIFF」シールのものは載っておらず、黒ボディ・白ルーフの「シェリフズ・カー」が「28-D」となっていますが、白ボディ・黒ルーフという塗装の方に準拠して、「28-C」としておきます。

ドクター・フォースのバリエーション・リストでも、ラベル違い、ホイル違いなどには触れられておらず、テールライトの赤塗装のあり・なしを挙げています。

「28-C」としての生産時期は、1977〜1979年。
テールライトの赤塗装あり、ホイルは5本スポーク、英国製。

White painted body, black roof, red dome light, transparent yellow(amber) windows, chrome plated interior, 'SHERIFF' labels,red tail lights, black plastic 'CORG IJUNIORS' base plate with5 SPOKE wheels, Great Britain casting.

【10】 190-A Buick Regal Arabian Police Car, Mettoy era

ビュイック・リーガルのポリスカーで、ボディは全面白、アラビア語のラベルを貼ったもの。
ブリスターカード表面もアラビア語表記になっています。

もちろんアラビア語圏への輸出のために作られたもので、「190-A」という独自の品番が与えられました。
メットトイの破綻した年である1983年からの生産で、事業の停止まで作られました。したがって、輸出専用であることに加えて、生産数はあまり多くないと考えられます。

出品者は、「アラビア語が読めないので、ポリスカーか、タクシーかわからない」、と書いていましたが、グーグル翻訳で「POLICE」をアラビア語訳すると、シールと全く同じ形の文字(画像の一番下)になるので、ポリスカーで間違いないようです。
1983年というと、イラン-イラク戦争の最中だったりするので、アラビア語圏とは言っても、英国製のオモチャが販売される範囲、それを手にすることの出来た子供たち、というのは限定されるかもしれません。

テールライトは塗装されていません。ホイルはダブル・スポーク、英国製。



White painted body, red dome light,transparent yellow (amber) windows,chrome plated interior, 'POLICE' in Arabian language labels, white tail lights, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with DOUBLE SPOKE wheels, Great Britain casting.

【11】 Buick Regal Police Car, after the bankruptcy of Mettoy

メットトイ・コーギーの終焉後のモデルで、箱の裏側の著作権表示は1990年、「Corgi Sales Ltd. Swansea GreatBritain」となっています。
箱には明記されていませんが、1991年頃の販売品ですから、時期的にはマテル傘下の時代(1989年以降)となります。「Corgi Sales Ltd.」は、英国・欧州におけるディストリビューター(販売会社)ということでしょう。

「CORGI」のブランド・ロゴタイプが変わり、ブリスターではなく窓アキ箱に入れられています。
つまり、このロゴの付いた箱に入っているモデルは、メットトイ破綻後のもの、ということになります。
この箱のデザインには、数種があるようです。箱に「J81/1」のシールがありますが、これは品番ではないかもしれません。

ミニカー本体では、コジャック・ビュイック以来の赤い回転灯がはずされ、大型のバーランプになったのは良いのですが、裏板のサスペンションの機構が変えられ、たてつけが悪くなって、妙にに腰高になってしまいました。ついに「コーギー」たる品質は失われ、当時のチープな中国や香港製品に良くあったモデルの仲間入りをしています。

裏板の「CORGI JUNIORS」「MADE INGT.BRITAIN」は削られ、「CORGI」「MADE IN CHINA」となりました。
8つのブロックが組み合わされたホイルを「エイト・ディビジョン」と言っています。中国製。
テールライトは塗装されていません。ドアサイドの「POLICE」はラベルでなくプリントになりました。

同じブルーのバーランプで「ダブル・スポーク」のホイルのもの、さらに黄色のバーランプのものもあるようですが、生産時期が限定されているためか、案外市場に残っていない感じです。出て来る時は、英国よりも米国の方が多い気がします。

Black painted body, white roof anddoors, blue bar light, clear windows,chrome plated interior, 'POLICE' onside tempa, white tail lights, black plastic 'CORGI' base plate with 8 DIVISION wheels, CHINA casting.

【12】 90420a Buick Regal Police Car, Mattel era
コーギー・ジュニアの一部の金型は、マテルから「ホットホイール」として売られることになりました。
これらはマテル・オリジナルのものとは分離されていて、「オート・シティ」というシリーズ名が与えられました。
ブリスターカードでの表示ブランドは「Hot Wheels」になっています。カード裏の著作権表示は1994年。

ミニカー上には、「アメリカン・ポリスカーらしく」するための、盾型のエンブレムや「NYPD」などのたくさんのプリントが追加されています。

このモデルでは裏板のモールドはまだ「CORGI」になっていますが、「HotWheels」に変えられたものもあるようです。テールライトは塗装されていません。
ホイルはエイト・ディビジョン。「エイト・ディビジョン」はコーギー・コレクター側からの呼称で、ホットホィール側ではこれを「Corgi2」とし、「フォー・ディピジョン」を「Corgi」としています。中国製。



Black painted body, white roof anddoors, blue bar light, clear windows, chrome plated interior, 'POLICE' 'NYPD POLICE' 'DIAL 911' 'P.D.9' with shield tempa, white tail lights, black plastic 'CORGI' base plate with 8 DIVISION wheels, CHINA casting.

【13】 68-A1a Kojack's Buick Regal
1977年から1980年の生産。

「ビュイック・リーガル・ポリス」のそもそもの元になったモデルで、商品名は「コジャック・ビュイック」。屋根上灯が左側(運転席側)にオフセットしているのは、コジャック・ビュィックの着脱式の回転灯を再現しているためです。

テールライトに赤の色差しがあります。別パーツではなく、ボディの上をペイントしたものです。ホイルは「ファイブ・スポーク」、英国製。

コーギーは「290-A1」でも「コジャック・ビュイック」を作っていますが(1976年7月〜1981年の生産)、1/35ぐらいのスケールの大きなモデル(全長149mm)でした。

Metallic copper-gold painted body, red dome light, transparent yellow(amber) windows, chrome plated interior, no tempa,RED tail lights, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with 5-SPOKE wheels, Great Britain casting.

【14】 68-A1b Kojack's Buick Regal
同じく「コジャック・ビュィック」で、ダブル・ファイブ・スポークのホイルを履くもの。
テールライトの赤の色差しを含めて、ホイル以外のボティの仕様は変わっていません。英国製。

ちなみに「刑事コジャツク」のアメリカでの放送は1973年から1978年まで、日本では1975年から1979年で、放送終了後も、しばらく販売されていたことになります。

パッケージには、主役のテリー・サバラスの写真を印刷したものなど、数種があります。



Metallic copper-gold painted body, red dome light, transparent yellow(amber) windows, chrome plated interior, no tempa,RED tail lights,black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with DOUBLE 5-SPOKE wheels, Great Britain casting.

【15】 28-D1a Buick Regal Police Car, Mettoy era
コーギー・メットトイ時代のビュイック・リーガルのポリスカーで、黒ボディに白の屋根、ドアは黒のままで、「SHERIFF」のラベルを貼ったもの。品番が「28-D1」になります。
白ボディの「28-C」(1977〜1979年の生産)が終了してから黒ボティ(28-D)にシフトしたようで、1980年だけの生産。確かに見かけるのは黒ボディの方が少ないようです。

「28-D1a」は、テールライト部分にオレンジ色の塗料が吹いてありますが、下地が黒であるために彩度が上がらず、資料ではこれを「amber taillights」と表現しています。「28-D1b」ではテールライトの色差しがなく黒のまま、「28-D2」はウインドが透明になります。

裏板モールドは「CORGI JUNIORS」、ホイルは「ダブルスポーク」、英国製。

Black painted body, white roof, red dome light, transparent yellow(amber) windows, chrome plated interior, 'SHERIFF' on side label, AMBER tail lights, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with DOUBLE SPOKE wheels, Great Britain casting.

【16】 150-A1 Buick Regal Police Car, Mettoy era
ビュイック・リーガルのポリスカーで、黒ボディに屋根とドアが白、「POLICE」のラベルを貼ったもの。
屋根上灯は、「コジャック・ビュィック」以来の運転先側にオフセットしたドーム型ランプで、コーギー・メットトイ時代再末期の製品です。

「150A」はTV番組「Simon & Simon」(アメリカでの放送は1981〜89年)のパッケージに入れたキャラクター車に与えられたもので、同じ金型を「コジャック」「スーパーマン」に続いて3度目のキャラ車に仕立てたことになります。
もちろん、パッケージにキャラクター写真が付いている以外、ミニカー自体が劇中車を再現しているわけではありません。1982年に登場し、1983年のメットトイ終焉まで作られました。破綻前夜の混乱の象徴のようなモデルですが、お蔭で残っている数は少ないようです。ブリスターに入っているものは、結構な高額になるようです。

同じカラーで、ウインドが透明のもの、バンパーとインテリアがグレーのもの、「POLICE」の文字の赤いもの、大きいもの、青地に白文字のもの、などがあるようです。分解したわけではありませんが、どうやら前後バンパー/グリルとインテリアは一体パーツになっていて、そのためにフロントグリルがグレーの成型色になると、インテリアもグレーになる、ということのようです。
裏板モールドは「CORGI JUNIORS」、テールライトは赤塗装はありませんが、白が吹かれています。この上に赤を入れるとなると、1工程が増えてしまいますから、当然と言えば当然です。ホイルは「ダブルスポーク」、英国製。

Black painted body, white roof and doors, red dome light, transparent yellow (amber) windows, chrome plated interior, 'POLICE' on side label, WHITE tail lights, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with DOUBLE SPOKE wheels, Great Britain casting.

【17】 Buick Regal Police Car, after the bankruptcy of Mettoy
ビュイック・リーガルのポリスカーで、メットトイ・コーギーの終焉後のモデル。
屋根上灯が黄色のバーランプに置き換えられています。品番不明。ドアサイドの「POLICE」はシールではなく印刷。テールランプは白が吹かれています。

裏板は「CORGI JUNIORS」ではなく、「CORGI」になっています。
以前にアップした、青の屋根上灯のモデルは裏板が既に「CHINA」になっていましたが、このモデルは「GT BRITAIN」をキープしています。おそらくはこちらの方が生産時期が古いのでしょう。


Black painted body, white roof and doors, transparent YELLOW bar light, clear windows, chrome plated interior,'POLICE' on side tempa, WHITE tail lights, black plastic 'CORGI' base plate with DOUBLE SPOKE wheels, GT BRITAIN casting.

【18】 Hot Wheels 622a Buick Regal Police Car
コーギー・ジュニア金型のビュイック・リーガル・ポリスカーですが、これは「ホットホィール」として1997年に発売されたもの。
1995年頃には既に金型はマテルに移り、「AUTO CITY」のサブブランドでホットホィールから売られていましたか、これは純然たるホットホィールの一員になったもの。

波乱の生涯でしたが、最後はすっかりアメリカン・ポリスらしくなり、「コーギー・ジュニア」の面影は遂になくなりました。ホットホィール製品としての、色違い・プリント違い・ホイル違いのバリエーションは無いようです。当然ながら、テールランプの色差しはありません。

ホイルはホットホィール用のもので「ブラック・ファイブ・スポーク」、中国製。

Black painted body, white roof, transparent blue bar light, clear windows, medium gray interior, 'POLICE' 'City of Hot Wheels' 'INTERCEPTER 27' with emblem and white/yellow stripes tempa, black tail lights, black plastic 'Hot Wheels' base plate with 'BLACK 5- SPOKE' wheels, CHINA casting.

【19】 J-81a Buick Regal Police Car, after the bankruptcy of Mettoy
「ビュイック・リーガル」のバリエーションですが、メットトイ・コーギーの終焉後のモデルで、全身をスカイブルーに塗り、屋根上には大きなバーランプ、マーキングはシールでなく全て印刷になり、車体後部をかなり持ち上げた、違う金型のような姿になりました。

アメリカ市場にすり寄っている結果ですが、英国風のチェッカーパターンをサイドに描きながら、ボンネット上には「NYPD」と描いた、妙な姿になってしまいました。経営者が変わるというのは、恐ろしいことで、「何でもアリ」になってしまいます…。

裏板の「CORGI」のモールドと、英国製をキープしています。ホイルは「フォー・ディビジョン」。
同じカラーで、中国製のものがあるようですが、そちらの方が数が少ないようです。ネット購入では、裏板の生産国までは確認が困難です。
品番が「J-81a」になっていますが、頭の「J」が、メットトイ・コーギー後を示しており、単に「81a」ですと、メットトイ時代のダブルデッカー・バスになります。

Sky blue painted body, blue bar light,clear windows, black interior, 'POLICE''NYPD' with checker board on sides tempa, black plastic 'CORGI' base plate with 4 DIVISION wheels, GREAT BRITAIN casting.

【20】 J-81/02 Buick Regal Fire Chief Car, after the bankruptcy of Mettoy
メットトイ・コーギーの終焉後のモデルで、箱の裏側の著作権表示は1990年、「Corgi Sales Ltd, Swansea, GreatBritain」(英国・欧州におけるディストリビューター)となっています。
1991年頃の販売品で、時期的には既にマテル傘下の時代(1989年以降)になります。

ビュイック・リーガルにはご紹介しているようにたくさんのバリエーションがありますが、ファイア・チーフとして作られているのはこの1点だけです。ボンネットやドアに「星」を描いた、トイ・ライクな仕上がりです。ホイルはエイト・ディビジョン。
こちらは、中国製のみで、既に英国製のものはないようです。



Red painted body, white roof and trunk compartment, blue bar light, clear windows, black interior, 'FIRECHIEF' with star symbol tempa, black plastic 'CORGI' base plate with 8 DIVISION wheels, CHINA casting.

【21】 17-D5 Buick Regal Superman City of Metropolis Police Car, Mettoy era
コーギー・ジュニアの継続再開にあたって、半ばあきらめていた「ビュィック・リーガル」のバリエーションを6点追加します。



「スーパーマン」の「メトロポリスPD」のビュイック・ポリスカーのうち、ボデイ全体がメタリックでないブルーで、屋根に白塗装のされていないもの。

長らく探していましたが、ようやく発見しました。

フロントとリアのバンバー/グリルは、メッキ部品でなく、グレーのパーツに置き換えられています。
これはシートと一体部品になっているようです。

テールライト、ヘッドライト横にも赤の色差しがあり、前面警光灯のつもりでしょうか。

裏板は「CORGI JUNIORS」、英国製・メットトイ時代のもの。ホイルは「ダブルスポーク」。



BLUE painted body, BLUE roof, bright red dome light, TRANSPARENT YELLOW (AMBER) windows, medium gray interior and bumpers, 'POLICE' on side and 'CITY OF METROPOLIS POLICE DEPT' in shild on hood label, RED taillights, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with DOUBLE 5-SPOKE wheels, GT. BRITAIN casting.

【22】 28-C1 Buick Regal Police Car, Mettoy era
白ボディ・黒ルーフのビュイック・リーガルのポリスカーで、側面シールに「P/D」マークのないもの。

ホイルは5本スポーク、テールライトは赤で塗装されており、品番は「28-C1」ですが、資料リスト中には該当するバリエーション番号の記載はありませんでした。(「P/D」マークのないシールでは、ダブルスポークだけになっています。)

裏板は「CORGI JUNIORS」、英国製・メットトイ時代のもの。ホイルは「ファイブスポーク」。



White painted body, black roof, red dome light, transparent yellow (amber) windows, chrome plated interior and bumpers, 'POLICE' WITHOUT P/D labels, red taillights, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with 5-SPOKE wheels, GT. BRITAIN casting.

【23】 28-D2 Buick Regal Police Car, Mettoy era
コーギー・メットトイ時代のビュイック・リーガルのポリスカーで、黒ボディに白の屋根、ドアは黒のままで、「SHERIFF」のラベルを貼ったもの。

ウインドがアンバー(黄色)のもの(28-D1a)を既にアップしていますが、これはウインドが透明クリアになり、別のバリエーション番号(28-D2)を与えられています。

窓が透明になると、シートにメッキがされていることがよくわかります。つまり(分解してみたわけではありませんが)前後のバンパー/グリルとつながっているのでしょう。

裏板は「CORGI JUNIORS」、英国製、ホイルは「ダブルスポーク」。


Black painted body, white roof, red dome light, CLEAR windows, chrome plated interior and bumpers, 'SHERIFF' on side label, red taillights, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with DOUBLE 5-SPOKE wheels, GT. BRITAIN casting.

【24】 J.60 Buick Regal Police Car, after the bankruptcy of Mettoy

ビュイック・リーガルのポリスカーで、メットトイ・コーギーの終焉後のモデル。屋根上灯は透明でない、ソリッドのオレンジイエロー、ウインドは透明、テールライトは色差しがなく、白のまま。

何度か書いているように、1983年10月のメットトイ破綻後のものはパッケージのロゴが大文字の「CORGI」になります。「Corgi Toys Ltd.,」を名乗り、「英国製」をキープしています。

パッケージは簡略化されたものになっています。パッケージの著作権表示は1984年。
この時期の品番がわからなかったのですが、パッケージに「J.60 Buick Police」と明記されているので、とりあえずこれに従います。

裏板は「CORGI JUNIORS」ではなく、「CORGI」になりました。ホイルは「エイト・ディビジョン」。




Black painted body, white roof and doors, SOLID(OPAQUE)ORANGE YELLOW bar light, clear windows, chrome plated interior and bumpers, 'POLICE' on sidetempa, WHITE taillights, black plastic 'CORGI' base plate with EIGHT DIVISION wheels, GT. BRITAIN casting.

【25】 J.60 Buick Regal Police Car, after the bankruptcy of Mettoy
ビュイック・リーガルのポリスカーで、メットトイ・コーギーの終焉後のモデル。
屋根上灯は透明の黄色のものを付けています。ウインドは透明、テールライトは色差しがなく、白のまま。

「ダブルスポーク」のホイルを付けたものを既にアップしていますが、これは「エイト・ディビジョン」と呼ばれるホイルを付けています。
品番は「J.60」に準拠しておきます。

ホイルや屋根上灯のバリエーションなど、意図されたものではなく、部品調達の都合によるものでしょうか。

裏板は「CORGI JUNIORS」ではなく、「CORGI」、英国製。

Black painted body, white roof and doors, transparent YELLOW bar light, clear windows, chrome plated interior and bumpers, 'POLICE' on side tempa, WHITE taillights, black plastic 'CORGI' base plate with EIGHT DIVISION wheels, GT. BRITAIN casting.

【26】 J.60 Buick Regal Police Car, after the bankruptcy of Mettoy

ビュイック・リーガルのポリスカーで、メットトイ・コーギーの終焉後のモデル。
屋根上灯は透明でない濃い青、ウインドは透明、テールライトは色差しがなく、白のまま。
品番は「J.60」に準拠しておきます。

「エイトディビジョン」のホイルを付けたものを既にアップしていますが、これは「フォー・ディビジョン」(中心部が4つに分割されている)を付けています。
英国製ですが、当時の香港製コピーモデルなどと変わらない仕上がりになりました。

裏板は「CORGI JUNIORS」ではなく、「CORGI」、英国製。

Black painted body, white roof and doors, OPAQUE DARK BLUE bar light, clear windows, chrome plated interior and bumpers, 'POLICE' on side tempa, WHITE taillights, black plastic 'CORGI' base plate with FOUR DIVISION wheels, GT. BRITAIN casting.

【30】 45-B2 Ford Gran Torino 'Starsky & Hutch'
「刑事コジャック」に次ぐTV劇中車で、「刑事スタスキー&ハッチ」の「グラン・トリノ」を小スケールでモデル化したもの。1977年から、1983年のメットトイ・コーギーの終焉まで生産されました。「コジャック・ビュィック」同様に、フィギュア付きの大きなスケールのものも作られています。
私服刑事の捜査用車両という設定のため、屋根上回転灯は運転席側にオフセットしていて、着脱式ビーコンを再現しています。

「刑事スタスキー&ハッチ」などと言っても、若い方はご存知であろうはずもないですが、アメリカでの1stシーズンの放送は1975年、日本では1977年からTBSの火曜日午後10時で放送されました。「刑事コジャック」「鬼警部アイアンサイド」などと同じ時間ワクだったと記憶しています。2004年に映画としてリメイクされています。この時も、赤いグラン・トリノは健在でした。
イギリスでも1976年から(つまり日本より早い)、土曜の夜にBBC1で放送され、ただちに人気になったようです。モデルの登場はイギリスでの放映後の1977年ですから、したがってこの種のアメリカTVの劇中車のモデルが、直ちにアメリカ市場向けとは言えないことになります。
言うまでもないことですか、米国のTV番組は、吹き替えも字幕も必要なく、英国で放送することができます。
劇中のクルマは本当に「グラン・トリノ」だったようで、白の稲妻ストライプは、もっとボディ前端まで長く伸びています。あるエピソードの中で、ハッチがこのクルマのことを「Striped Tomato」と言っているそうです。どうみても「ポリスカー」の佇まいではないので、ずっと買っていませんでしたが、今回初めて入手しました。英国製。

白いストライプは塗装やプリントではなく、白い紙シールを貼りつけたもので、これがために遊ばれたモデルでは脱落しているものが多いです。手に入れてみるまで、せめて塗装で再現されているものとばかり思っていました。一方でキャラ車ということで、ブリスターに入った状態で残っているものは、米・英でもかなりの高額で流通しているようです。

この個体はホイルがダブルスポークですが、シングルのファイブ・スポークのもの(45-B1)もあります。

Red painted body, red PLASTIC dome light, black opaque windows, no interior, white stripe labels, chrome plated 'CORGI JINIOURS' plastic base plate with Double 5-SPOKE wheels,Great Britain casting.

【31】 70-C1 Ford Gran Torino Fire Chief's Car
「スタスキー&ハッチ」のグラン・トリノのシールを張り替えて、ファイアチーフとしたもの。1977年〜1982年の生産。
もともとが赤塗装に白ストライプのシールを貼っただけのツクリでしたから、ファイアチーフに化けるのは簡単でした。

「スタスキー&ハッチ」の時から、窓は完全不透明の黒プラスチックで、シートは付いていません。

これは5本スポークのホイルを履いたもので、裏板には「Starsky & Hutch」のモールドが残っています。
同じ5本スポークで、「Starsky & Hutch」のモールドが削られたもの(70-C1a)もあります。英国製。

Red painted body, red PLASTIC dome light, black opaque windows, nointerior, 'FIRE DERT CHIEF' labels,c hrome plated 'CORGI JINIOURS' plastic base platewith 'STARSKY& HUTCH', 5-SPOKE wheels, Great Britain casting.

【32】 70-C2 Ford Gran Torino Fire Chief's Car
「70-C1」と同じラベルで、ダブル・ファイブ・スポークのホイルを付けたもの。

裏板の「Starsky & Hutch」のモールドは削られています。英国製。


Red painted body, red PLASTIC dome light, black opaque windows, no interior, 'FIRE DERT CHIEF' labels, chrome plated 'CORGI JINIOURS' plastic base plate WITHOUT 'STARSKY & HUTCH', DOUBLE 5-SPOKE wheels, Great Britain casting.

【33】 70-C3 Ford Gran Torino Fire Chief's Car
ラベルが変わって「Fire Chief」になったもの。
この個体ではホイルはダブル・スポークで、屋根上灯がプラの別部品ではなく、ダイキャストボディとの一体成型になりました。

同じ仕様で裏板がメッキでなくグレーのもの(70-C4)、白のもの(70-C5)、同じ「Fire Chief」ラベルで5本スポーク/プラ回転灯のままのものもあるようです。英国製。


Red painted body, red CAST dome light, black opaque windows, noi nterior, 'Fire Chief' labels, chrome plated 'CORGI JINIOURS' plastic base plate WITHOUT 'STARSKY &HUTCH', DOUBLE 5-SPOKE wheels, Great Britaincasting.

【34】 E-45B1 Ford Gran Torino Starsky & Hutch
今回は、フォード・グラン・トリノの、いささかクレイジーなバリエーション追及結果のご報告です。

まず「スタスキー&ハッチ」の5本スポークのもの。バリエーション番号は「45B1」で、ダブルスポークのもの「45B2」より早い番号が与えられています。
屋根上灯はプラ製別部品、裏板はメッキパーツで、おそらく一連のグラン・トリノの中で、最も生産時期の早いものでしょう。

メッキの裏板には中央部に「Starsky & Hutch」のモールドがあります。
ただし白ストライプのシールを貼って「スタスキー&ハッチ」として売られたものであっても、裏板の「Starsky & Hutch」が削られたものがあります(45B2以降)。

これは、「スタスキー&ハッチ」と、ファイアチーフのシール替えバリエーションが、平行生産されたことをうかがわせます。ただ当初は屋根上灯は別パーツですから、シールなしの「スポーツカー」仕様が売られたのは、屋根上灯はがボディと一体成型になった以降でしょう。
「スタスキー&ハッチ」仕様にも、末期にはグレー裏板・白裏板があります。
「スタスキー&ハッチ」は、裏板は全てメッキなのかと思っていたら、そういうことでもないようです。

裏板は「CORGI JUNIORS」、英国製、ホイルは「ファイブ・スポーク」。

Red painted body, red PLASTIC dome light, black opaque windows, no interior, white stripe labels, CHROME PLATED 'CORGI JINIOURS' plastic base plate WITH 'STARSKY & HUTCH', 5-SPOKE wheels, GT. BRITAIN casting.

【35】 E-70D Ford Gran Torino
ブルー1色に塗られた、フォード・グラン・トリノ。

「スタスキー&ハッチ」だったグラン・トリノが、赤ボディ・シール違いのファイア・チーフに転用され、その末期に屋根上灯が別パーツではなく、ボディ一体キャストになりました。
その屋根上灯付き金型のまま、シールなしのブルー塗装になったものです。

したがって、この製品はファイアチーフ時代の屋根上灯がそのまま残っているだけで、本来は緊急車ではないのです。1983年、メットトイ終焉の年、最末期の発売のようです。

そのため、Bill Manzkeのリストでも、裏板(前後バンパー一体)の色は、メッキ/黒/グレーの3種のみで、「白」は載っていませんでした。コーギージュニアのバリエーションというのは、これほど未確定なものなのです。

赤ボディでグレーグリル、白グリルがあり、ブルーボディのグレーグリルとともに「1983 near factory closure」(1983年10月の工場閉鎖間際)としています。

ということは、赤ボディでシールなしのものは、シールが脱落してしまったものと思っていましたが、初めから貼られていないものもあったということになります。工場閉鎖間際のであれば、出荷量は少ないはずです。

ダイキャスト製屋根上灯と、グレーまたは白のグリルが識別点ですが、「スタスキー&ハッチ」および「ファイアチーフ」にもグレーグリル、白グリルがあるので、シールが初めから貼られていないか、後で脱落したかの識別はむずかしいことになります。
裏板は「CORGI JUNIORS」、英国製、ホイルは「ファイブ・スポーク」。

Blue painted body, blue CAST dome light, black opaque windows, no interior, no labels and prints, WHITE 'CORGI JINIOURS' plastic base plate WITHOUT 'STARSKY & HUTCH', 5-SPOKE wheels, GT. BRITAIN casting.

【36】 E-70D4 Ford Gran Torino (1983 near factory closure)
同じく屋根上灯がボディ一体キャスト、赤1色のグラン・トリノ。
「スタスキー&ハッチ」の白ストライプや、「Fire Chief」のシールが脱落してしまったわけではない、という証明に、ブリスターの残っているシールなしの個体を入手してみました。

裏板・グリルはグレーで、Bill Manzkeの「Corgi Juniors & Husky Models」の139ページのリストにある「gray plastic base and grille(1983 near factory closure)」に該当するものと思います。

「1983 near factory closure」には、裏板・グリルが白のものもあります。

ブリスターカードの上部が切り取られてしまっているので、製品名や品番などの情報が得られませんが、カード下部の社名表示は間違いなく「The Mettoy Co.,Ltd. Northampton Great Britain」になっていて、メットトイ時代のものであることがわかります。

シールなしのスポーツカーのモデルであれば、屋根上灯は削られてしかるべきなのですが、もはや金型を回収する余裕もないままに、最後まで生産されたのでしょう。メットトーイ・コーギー最後の痕跡ということになります。
裏板は「CORGI JUNIORS」、英国製、ホイルは「ファイブ・スポーク」。

Red painted body, red CAST dome light, black opaque windows, no interior, NO labels and prints, GRAY'CORGI JINIOURS' plastic base plate WITHOUT 'STARSKY & HUTCH', 5-SPOKE wheels, GT. BRITAIN casting.

【37】 E-70D5(E-70-C5) Ford Gran Torino
屋根上灯がボディ一体キャスト、赤1色のグラン・トリノで、裏板・グリルが白プラスチックのもの。

ファイブ・スポークのホイルを付けており、上記メットトイ・コーギーの工場閉鎖直前のモデル(1983 near factory closure)の可能性があると考えて、入手しました。

ただし「E-70-C5」の「ファイアチーフ」と、「E-45B」の「スタスキー&ハッチ」の中にも、最後期に白裏板のものが作られているので、それぞれのシールが脱落したもの、と考えることもできます。
しかし側面のシールが貼られていた位置には、ボディの他の部分同様のキズがあるので、シールは初めからなかったようにも思えます。

「ファイアチーフ」や「スタスキー&ハッチ」であるにしても、白裏板のものは少ないようです。モデルはあまり状態が良くなく、出品者は特段生産量の少ないものとは考えていないようでした。

裏板は「CORGI JUNIORS」、英国製、ホイルは「ファイブ・スポーク」。

Red painted body, red CAST dome light, black opaque windows, no interior, no labels and prints, WHITE 'CORGI JINIOURS' plastic base plate WITHOUT 'STARSKY & HUTCH', 5-SPOKE wheels, GT. BRITAIN casting.

【38】 E-70D5(E-70-C5) Ford Gran Torino
屋根上灯がボディ一体キャスト、赤1色のグラン・トリノで、裏板・グリルが白プラスチック、ホイルがダブルのファイブスポークのもの。

状態が良くないので、「スタスキー&ハッチ」、または「ファイアチーフ」のシールが脱落したもの、と考えることもできますが、屋根上灯がキャスト、グリルが白であるところがミソです。

メットトイ・コーギーの工場閉鎖直前のモデル(1983 near factory closure)のホイル違いの可能性があると考えて入手しました。
わざわざ状態の悪いものを買う、物好きな日本人だと思ったことでしょう。

Red painted body, red CAST dome light, black opaque windows, no interior, no labels and prints, WHITE 'CORGI JINIOURS' plastic base plate WITHOUT 'STARSKY & HUTCH', DOUBLE 5-SPOKE wheels, GT. BRITAIN casting.

【39】 E-70C2 Ford Gran Torino Fire Chief Car
グラン・トリノのファイアチーフ。
「70C1」と「70C2」の違いは、裏板に「Starsky & Hutch」のモールドが残っているかどうかで、「70C2」になって、これが削られました。

「70C2」には、シールが「FIRE DEPT」のものと、「Fire Chief」のものがあります。
「70C1」と「70C2」は屋根上灯がプラの別パーツ。
「70C3」以降は屋根上灯がボデイ一体になり、「70C3」はメッキ裏板、「70C4」はグレー裏板、「70C5」が白裏板、というわけです。

裏板は「CORGI JUNIORS」、英国製、ホイルは「ファイブ・スポーク」。

Red painted body, red PLASTIC dome light, black opaque windows, no interior, 'Fire Chief' labels with shield in black center block, CHROME PLATED 'CORGI JINIOURS' plastic base plate WITHOUT 'STARSKY & HUTCH', 5-SPOKE wheels, GT. BRITAIN casting.

【40】 61-A1b Mercury Cougar XR7 Sheriff's Car
「ビュイック・リーガル」とは金型が変わり、「マーキュリー・クーガー」のシェリフ・カー。
ビュイック・リーガルはまがりなりにも4ドア車でしたが、こちらは2ドアのパシュートになります。
バリエーションを含めて1971年〜1975年の生産でした。

「CORGI JUNIORS WHIZZWHEELS」のブランドで売られ、裏板にも「WHIZZWHEELS」のモールドがあります。
メットトイ時代のもので、英国製・ダイキャスト裏板をキープしていますが、何となくガサガサしていて、同時期のマッチボックスより作りが荒く感じられます。その分「アメリカ的」に見えるのでクーガーには合っていますが。

ウインド/シート/ホイル違いでバリエーションが発生しており、これは黄色シート/ブルーウインド/ダブル・ファイブスポークのもの。

「61-A1a」で、同じシート/ウインド色でシングルのファイブ・スポークのものがあります。

White painted body with black roof, LIGHT BLUE dome lights and clear windows,YELLOW interior, 'SHERIFF' on side labels, chrome plated 'CORGI JUNIORS WHIZZWHEELS' metal base plate with DOUBLE 5-SPOKE wheels, Great Britain casting.

【41】 61-A3a Mercury Cougar XR7 Sheriff's Car
同じく「マーキュリー・クーガー」のシェリフ・カーで、赤シート/ファイブスポークのホイルを付けたもの。
同じ赤シート、ファイブスポークで、紫のウインドを付けたものがあります。英国製。

この「マーキュリー・クーガー」のシェリフ/ファイアチーフに関しては、メットトーイ終焉後に金型が他社に移されることはなかったようで、したがって中国製のものは作られていません。

この個体では、裏板のメッキが綺麗に残っていますが、酸化が進んでしまったようなものも多いです。真偽のほどはわかりませんが、60〜70年代の輸入状況では、船荷が海水をかぶると、ダイキャストが酸化すると言われていました。テクノの無塗装裏板で、ひどく酸化するものがありました。

White painted body with black roof, LIGHT BLUE dome lights and clear windows, RED interior, 'SHERIFF' on side labels, chrome plated 'CORGI JUNIORS WHIZZWHEELS' metal base plate with 5-SPOKE wheels,Great Britain casting.

【42】 61-A3b Mercury Cougar XR7 Sheriff's Car
同じく「マーキュリー・クーガー」のシェリフ・カーで、赤シートに、ライト・パープルのウインド、ダブル・ファイブスポークのホイルを付けたもの。英国製。

サイドのラベルは、どのバリエーションでも「SHERIFF」で、「POLICE」は作られていません。
遊ばれたものでは、サイドのシールが脱落してしまったものが多いです。ブリスターに入った状態のものはほとんど出て来ません。

テールランプは、裏板一体のメタルパーツになっているため、ビュィック・リーガルのような、テールランプの色差し有り・無しというバリエーションもありません。

White painted body with black roof, LIGHT PURPLE dome lights and clear windows,RED interior, 'SHERIFF' on side labels, chrome plated 'CORGI JUNIORS WHIZZWHEELS' metal base plate with DOUBLE 5-SPOKE wheels, Great Britain casting.

【43】 70-B1a Mercury Cougar XR7 Fire Chief Car
「マーキュリー・クーガー」を赤に塗り、「FIRE DEPT」のシールを貼った、ファイア・チーフ・カー。
シートは黄色のみですが、ホイルにこの画像の「ファイブスポーク」のものと、ダブルのファブスポークのものとがあります。

1971年〜1975年の生産で、シェリフ・カーと生産時期は重なっています。
英国製。



Red painted body, LIGHT BLUEdome lights and clear windows, YELLOW interior, 'FIRE DEPT CHIEF' on side labels, chrome plated 'CORGI JUNIORS WHIZZWHEELS' metal base plate with 5-SPOKE wheels, Great Britain casting.

【44】 70-B1b Mercury Cougar XR7 Fire Chief Car
「マーキュリー・クーガー」のファイアチーフ(1977〜1982年の生産)のうち、ホイルがダブルのファイブスポークのもの。

ボディの塗装の状態がそれほど悪くないにもかかわらず、裏板の酸化が目立ちます。
一体パーツで表現されている前後のグリル部のメッキは比較的残っているので、裏板底部のメッキが薄いためでしょうか。英国製。



Red painted body, LIGHT BLUE dome lights and clear windows, YELLOW interior, 'FIRE DEPT CHIEF' on sidel abels, chrome plated 'WHIZZWHEELS' metal base plate with Double 5-SPOKE wheels, Great Britaincasting.

【54】 30-A-1 Studebaker Wagonaire Ambulance
スチュードベーカー・ワゴニアの救急車は、「30-A」として、ハスキー時代の1966年から作られていました。

ストレッチャーは患者さんと一体モールドで、開閉できるリアゲートから取り出すことができます。ルーフ後部の透明プラ部分もスライド開閉するという、凝ったツクリです。
救急隊員用の座席、医薬品・医療器具用のキャビネット、酸素ボンベのようなモールドもあります。

「ハスキー」時代のものは、裏板がメッキされたプラで、これが前グリルと前後バンパーを兼ねています。メッキ部品を使っていることが「ウリ」になっていたわけです。
裏板に「HUSKY」のモールド、英国製。

まだスピードホイルではなく、濃いグレーの、ホイル/タイヤ一体のプラ製ホイルを付けたものが、最も初期の生産分で、これを「30-A-1」としています。

救急車ではない民間型のワゴニアもありますが、これは独自の品番を与えられたモデルではなく、救急車品番の「30-A」のうち、ギフトセット同梱品の中に民間型仕様(civilian)があったようです。
この金型は、15-Bで、TVカメラ・カーにも転用されました。

時代的な共通性でしょうが、レズニー・マッチボックスの仕上げに似ています。
レズニーも、#42Bで、「スチュードベーカー・ラーク・ワゴニア」の民間型を作っています。ハンターと猟犬の白いフィギュアの付いた、小さなモデルをご記憶でしょう。レズニーのモデルは1965年なので、ハスキーの方が1年遅いことになります。

White painted body, no roof light, light blue windows, white interior with stretcher, red cross DECAL on hood, chrome plated 'HUSKY' PLASTIC base plate with DARK GREY PLASTIC wheels, GT.BRITAIN casting.Opening tailgate and transparent blue roof panel.

【55】 30-A2 Studebaker Wagonaire Ambulance
同じくハスキー時代のもので、これもスピードホイルではなく、金属のホイルにプラタイヤの組み合わせです。これを「30-A-2」としています。


裏板はメッキされたプラで、「HUSKY」のモールド、英国製。

メッキの真空蒸着の被膜が非常に薄く、経年変化でメッキの一部が薄くなって来る欠点があるようです。必ずしも摩耗して剥げたわけではなく、自然にプラ地が出て来ることがあります。

レズニーのYシリーズやレドにも、こういう現象が見られます。コレクターにとっては、歓迎できることではありません。
かえって古いディンキーやテクノの、銀で塗っただけのバンパーの方が、永く残ってくれています。


White painted body, no roof light, light blue windows, white interior with stretcher, red cross DECAL on hood, chrome plated 'HUSKY' PLASTIC base plate, METALWHEELS WITH PLASTIC TIRES , GT.BRITAIN casting.
Opening tailgate and transparent blue roof panel.

【56】 30-A3 Studebaker Wagonaire Ambulance
1970年になって黒のスピードホイル(WHIZZWHEELS)に履き替えられたもの。
1970〜1971年の生産。
裏板は「CORGI JUNIORS WHIZZWHEELS」になりました。英国製。
ところでバリエーション・リストでは、「HUSKY」と「CORGI JUNIORS」を分けずに、一体のものとしてナンバリングしています。

ホイルはスピードホイルですが、ホイルのスタンプのない、黒1色のものです。裏板はダイキャストになったので、メッキプラのハスキー時代のものより重量感が出ました。

ハスキー時代にはデカールだったボンネット上の赤十字が紙シールになっています。
資料では「クリームボディ」の「30-A4」がある、としていますが、英米のネット出品者の画像では、「クリーム」と「白」の違いなんて判別できないので、これはお手上げです。

White painted body, no roof light, light blue windows, white interior with stretcher, red crossLABEL on hood, unpainted 'CORGIJUNIORS WHIZZWHEELS' METAL base plate with 5-spoked blackwhizzwheels, GT.BRITAIN casting.
Opening tailgate and transparent roof panel.

【57】 30-B Studebaker Wagonaire Ambulance
1971年には、リアゲートの形状が変わり、ルーフの開閉機構が廃止されました。これが「30-B」です。

別パーツだったストレッチャーが、インテリアと一体モールドになり、ルーフとリアゲートの開閉機構もなくなるということで、明らかにコストダウンの波に晒されています。ルーフとリアゲートを開け、ストレッチャーを出し入れする、という子供たちの重要な楽しみがなくなってしまったわけです。

もっとも現在ではほとんどの個体でストレッチャーが失われてしまっているので、フロア一体であればそういう心配はなくなったわけですが…。

ストレッチャーは別パーツの時は真っ白の無塗装でしたが、ブランケットが赤でペイントされて、良く目立つようになりました。

裏板は、「30-A3」と同じものですが、ホイルはホットスタンプ形式で、見慣れない小径のものを付けています。この時期のダイキャスト裏板は、メッキも何もされていないようで、酸化しているものが多いです。

ルーフの開閉機構が廃止され、屋根上灯のないこの状態での出荷品は、意外に少数かもしれません。

White painted body, no roof light, light blue windows, white interior with stretcher, red cross label on hood, unpainted 'CORGI JUNIORS WHIZZWHEELS' METAL base plate with 5-spoked small wheels, GT.BRITAIN casting.
Crosed tailgate and roof panelpermanently half open.

【58】 30-C Studebaker Wagonaire Ambulance
「30-C」では、屋根上に別パーツのルーフライトとボディ一体モールドのサイレンが加えられました。
リアゲートとルーフの開閉機構が廃止されたことは、「30-B」と同じです。

ホイルも、その後のコーギージュニアによく見られる5本スポークのものになり、ホイルの変化のためか、裏板の形状も変更されています。

ホイルが大径になったために腰高になり、ハスキー時代のものとは別のモデルと言って良い印象になっています

赤十字シールは、ボンネットではなく、ドア・サイドになりました。
ダイキャスト裏板はメッキされているようです。

この「スチュードベーカー救急車」、1台持っていれば、普通それ以上探そうとしない類のモデルですから、こういうバリエーション探しをしたのも、このホームページをやっているせいでしょうね。


White painted body, blue roof light andcasted silen, light blue windows, white interior with stretcher, red cross labels on SIDE, unpainted 'CORGI JUNIORS WHIZZWHEELS' METAL base plate with 5-spoked whizzwheels, GT.BRITAIN casting.
Crosed tailgate and roof panelpermanently half open.

【59】 22-D Chevrolet Van
1981年から1982年の、メットトイ・コーギーの晩年に生産された、パラメディック救急車。
裏板の表記は「U.S.VAN」ですが、ごく短期間「CHEVROLET VAN」だったことがあります。

色を替え、シールを替えて、「スーパーマン・スーパーバン」「チャーリーズ・エンジェル・バン」などに活躍した金型です。


後期には側面のマーキングがシールではなくプリントになったり、赤い消防仕様、ポリス仕様、デンマーク向け「FALCK」など、これまた多くのバリエーションがあります。
いまのところ、それらを探そうとは思っていないのですが、どうしましょう…。

画像のモデルは、ウインドがアンバー(黄色)、紙シール、黒裏板、ホイルがダブル・スポークのものです。
ウインドが黒やライトブルー、裏板がブルーのものなどもあります。英国製。


White painted body, no roof light, amber windows, no interior, 'PARAMEDIC''EMERGENCY UNIT' with red cross and stripe labels on side, black 'CORGI JUNIORS' plastic base plate with double spoked wheels, GT.BRITAIN casting.

【60】 36-B1 Healer Wheeler
「ヒーラー・ホィーラー」(HealerWheeler)と名付けられたボート型ボディの救急車で、1973年から1977年の生産。
明らかにホットホィールと、それに対抗するべく変質をはじめたレズニー・マッチボックスを意識したデザインやネーミングを与えられたモデル。
「ウィーラー」と表記した方がいいのかもしれませんが、いつもの「ホィール」という表記との関係上、「ホィーラー」と書くことにします。

「heal」は、「病気・傷などを健康に回復させる」ということですから、きっとこのクルマに乗るだけで回復する、夢の救急車なのでしょう。
ホイルはダブルのファイブ・スポーク、英国製。カード裏の著作権表示は1973年になっています。

「with the compliments of SingaporeAirlines」のラベルが貼られており、シンガポール航空のインセンテイブ(景品)で使われたものでしょうか。

White painted body, BLUE dome light,clear windows, dark blue interior, redcross labels, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with 'double 5-spoke' wheels, Great Britain casting.

【61】 36-B2 Healer Wheeler
「ヒーラー・ホィーラー」のバリエーションで、サイドのラベルに「AMBULANCE」の表記が加わりました。
屋根上灯がクリアになっていますが、同じラベルでライトブルーのものもあるようです。
このモデルではインテリア(シート)が入っていますが、すぐに省略されるようになります。そろそろコスト削減指向が目立つようになります。

ホイルはダブルのファイブ・スポーク、英国製。カード裏の著作権表示は1973年になっています。

この他、「ヒーラー・ホィーラー」にはポリス仕様、消防仕様など、結構な数のバリエーションがあります。
品番は変わりますが、「ジョーカー」のラベルを貼られて、バットマン・シリーズの一員にもなりました。

White painted body, CLEAR domelight, clear windows, dark blue interior, 'AMBULANCE' with red cross labels, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with 'double 5-spoke'  wheels, Great Britain casting.

【62】 1-E1 Mercedes-Benz 220D Binz Ambulance
「ヒーラー・ホィーラー」とは対極のスケール・モデル指向の製品で、1977年10月から1983年の生産。1983年はメットトイの事業終焉の年です。
おそらく「ヒーラー・ホィーラー」がアメリカ市場を意識しているのに対して、こちらはヨーロッパ市場を意識しているからでしょう。

メルセデス220D・230の救急車では、ビンツ、ミーゼンなど複数のボディ・タイプがありますが、ピンツ・オイロープ1200Lの形状と窓配置をほぼ再現しており、裏板にも「BINZ AMBULANCE」の表記があります。屋根上のベンチレーターの再現に、メーカーの「誠意」を感じます。

ウインドはパープル味のある濃いブルーで、インテリアは入っていません。リアゲートを開けるとストレッチャーが見えた、ムカシのレズニー・マッチボックスの救急車を知っている人は寂しい思いをすることになります。
この個体ではホイルがダブルのファイブ・スポークですが、シングルのファイブスポークのもの、「エイト・ディビジョン」のもの、などもあります。英国製。
マテルに買収された1989年から、品番が「J167」になって再生産されることになります。

White painted body, dark blue domel ight and windows, no interior, redcross labels, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with 'double 5-spoke' wheels, GREAT BRITAIN casting.

【63】 J167 Mercedes-Benz 220D Binz Ambulance
英国製時代のもので、側面に赤のストライプが入り、赤十字でなく「スター・オブ・ライフ」シンボルを付けたもの。
フロント・ウインド上に「AMBULANCE」のプリントがありますが、黒のケイで囲まれています。


裏板は「CORGI JUNIORS」ではなく「corgi」。ホイルは「フォー・ディビジョン」。


White painted body, dark blue dome light and windows, no interior, white grille, 'Ambulance' in black box on roof front, red stripe on roof side, red stripe on side with blue star of life on door, black plastic 'corgi' base plate with '4 division' wheels,GREAT BRITAIN casting.

【64】 90390a Mercedes-Benz 220D Binz Ambulance
裏板が「CHINA」になってからのもので、一応品番を「90390a」としておきます。
側面の赤のストライプは同じですが、「スター・オブ・ライフ」ではなく赤十字を付けます。
英国製時代の「J167」でも同じデザインのものがあります。

このモデルではフロント・ウインド上に「AMBULANCE」のプリントがありますが、中国製でこれが赤のストライプになっているもの、英国製でプリントのないものなど、複雑なバリエーションがあります。

ホイルは「エイト・ディビジョン」。
裏板は「CORGI JUNIORS」ではなく「corgi」。箱裏面の著作権表示は1990年になっています。



White painted body, dark blue dome light and windows, no interior, white grille, 'Ambulance' on roof front, red stripe on roof side, red stripe on side with red cross on door, black plastic 'corgi'  base plate with '8 division' wheels, CHINA casting.

【65】 90390b Mercedes-Benz 220D Binz Ambulance
1992年、ホットホィールの「Auto City」シリーズになってからのもの。
裏板は「Corgi」、ホイルは「エイト・ディビジョン」、中国製。

紙のシール類はタンポ印刷に、赤十字標章は「スター・オブ・ライフ」シンボルに置き換わりました。
車体後側面のオレンジのバンドが屋根上にまで回り込んでいるもの、裏板のブランドが「Corgi」ではなく「Hot Wheels」になっているものもあるようです。
マテルは、入手したコーギー・ジュニアの金型の中でも、それまでの自社のラインになかった、ヨーロッパふう、スケールモデルふうのの金型を好んで活用したように思います。活用期間は、結局短いものではありますが…。

A product in 'Auto City' series from Mattel since 1992.
White painted body, blue dome light, dark blue windows, no interior, 'AMBULANCE' 'DIAL 999',t he Star of Life symbol with orange band tempa, black plastic 'corgi' base plate with '8 division' wheels,CHINA casting.

【66】 059-B1a Mercedes-Benz 240D Police Car
メルセデス240Dのドイツ・ポリツァイ。
メットトイ・コーギー時代、イギリス製のもので、1977年から1980年の生産。

画像のモデルはホイルがダブルスポークでグリルが白のままのもの。同じホイルでグリルに銀を塗装したもの、さらに5本スポークのホイルでグリルが白と銀があります。
側面の「POLIZEI」は、印刷ではなく紙シールです。コーギージュニアではこの「紙シール」が災いしてて、ルース品では剥落したり、印刷が剥げたりしているものが多いです。リペア用のシールも売られていたりします。

White painted body, light blue roof lights and windows, yellow interior, 'POLIZEI' label, black plastic 'CORGI JUNIORS' base plate with 'double spoke' wheels, GT BRITAIN casting.

【67】 56-A2 Ford Capri Fire Chief's Car
これは劇中車ではなく、2ドアの「フォード・カプリ」をファイアチーフに仕立てたもの。1971年〜1974年の生産。
日本語箱に入れられて、日本国内でも売られました。

この個体はダブル・ファイブ・スポークのもので、シートが黄色のものです。
裏板はメタルで白塗装されており、「CORGI JINIOURS WHIZZWHEELS」のモールドがあります。英国製。

シートが白のもの(56-A1a)、ホイルが5本スポークのもの(56-A1b)、ラベルが「FIRE」のもの(56-A3)、ボンネットの白塗装が省略されたものなどがあります。

Red painted body with white hood, blue green dome light and windows,YELLOW interior, 'FIRE CHIEF'l abels,  white painted 'CORGI JINIOURS WHIZZWHEELS' metal base plate with DOUBLE 5-SPOKE wheels,Great Britain casting.

【68】 93700 Jaguar XJ40 Police
ジャガーXJ40のポリスカーで、同じく、1991年頃、マテルによる買収後の、ポリス・スリーパックに入れられたもの。
単品ブリスターで「90393」の品番を与えられたものと同じ仕様のようです。

マテル買収以前の品番は「J91」ですが、これが与えられたのはずっと遅く、1988年1月なので、メットトイ時代の設計によるものではないようです。ウインドはクリア、黒シート、ホイルは「フォー・ディビジョン」、中国製。

カード裏の著作権表示は、「(C)1990 AMATELL COMPANY MADE INCHINA」。
裏板は「CORGI」「MADE IN CHINA」のみで、車名のモールドもありません。

「J91」時代のものは、背の高い屋根上灯と英国製裏板を付けていますが、もはや往年の「コーギージュニア」の面影はなく、かといって「ホットホィール」でもないという、ただの「廉価版3インチモデル」に成り下がっている気がします。「CORGI」を名乗るにふさわしい風格が見られません。ブランドを継承するということは、看板だけを維持しても、姿勢がキープされないと仕方がない、ということでしょう。

A car in the police 3-pack issued in1990-1991, Matell years.
White painted body, blue bar light, clear windows, black interior, 'POLICE' on yellow and black stripes tempa, 'black plastic 'CORGI' base plate with '4 division' wheels,CHINA casting.

【69】 90470b Jaguar XJ40 Police
ジャガーXJ40のポリスカーですが、パッケージでは結局「CORGI」ブランドを捨て、「Hot Wheels AUTO-CITY」になったもの。「AUTO-CITY」というサブブランドは、「Hot Wheels」を掲げる以前から、「CORGI AUTO-CITY」という形で使われていたもので、「CORGI」だけをフェイドアウトさせました。
この後、買収で取得した金型自体も順次生産終了していくことになります。「マッチボックス」はマテルで根付きましたが、「コーギー」は根付きませんでした。

ブリスターカードの右上に「93182」の表記がありますが、これは個別商品に対する品番ではなく、違う商品にも共通で印字されているようです。
裏板にはまだ「CORGI」のモールドが残っています。カード裏の著作権表示は1994年。

側面黄色塗装に黒のチェッカーは、マテル買収後の「AUTO-CITY」オリジナルカラーです。英連邦系のカラーリングを意識したのでしょうが、側面から見るとタクシーにしか見えません…。
ウインドは濃いブルー、黒シート、ホイルは「フォー・ディビジョン」、中国製。


White/yellow painted body, blue roof light, dark blue windows, black interior, 'POLICE' on hood and trunk compartment, yellow sides with black checker board tempa, 'black plastic 'CORGI'  base plate with '4 division' wheels,CHINA casting.

【70】 J4/900XXk Ford Transit Van 'POLIISI' for Finish market
メットトイ破綻後、マテル買収以前の「Corgi Toys Ltd.」時代のオリジナルブリスター、しかもフィンランド市場向けというもの。
だいぶん以前にフィンランドのコレクターからのオファーで入手したものですが、この種のマイナーなバリエーションは、とても拾いきれるものではないことに、その後気が付きました。
カード裏の著作権表示は1986年。「英国製」の裏板を付けています。

資料では、後期になって「900XX」の品番が付されたかもしれない(may befrom later period with 900XX number)という記述があります。

デンマーク向けの「Falck」プリントのものも作られているようで、「Corgi ToysLtd.」の末期に、英国・米国だけでなく、欧州他地域への拡販が試みられていたのでしょう。
マテル買収後は、ジャガー同様の黄色にチェッカーの塗装にされてしまい、当然ながら「フィンランド向け」などというプリントのものが作られることはなくなりました。



Dark navy brue painted body, no roof light, clear windows, black interior, 'POLIISI' in Finish language tempa, 'black plastic 'CORGI' base plate with '4 division' wheels,GT.BRITAIN casting.

【71】 93700 Ford Transit Van 'POLICE'
フォード・トランジットのポリス・バンで、同じく、1991年頃、マテルによる買収後の、ポリス・スリーパックに入れられたもの。

マテル買収以前の品番は「J4」で、同じカラー/マーキングのものが1990年頃に作られているようです。
ウインドはクリア、黒シート、ホイルは「フォー・ディビジョン」、中国製。

マテル・ホットホィールのラインは、こういった「はたらくクルマ」「欧州車」の分野に強くないですから、コーギーの金型は、弱い部分を補う魅力があったのかもしれません。

カード裏の著作権表示は、「(C)1990 AMATELL COMPANY MADE INCHINA」。
裏板は「CORGI」「MADE IN CHINA」のみで、車名のモールドもありません。



A car in the police 3-pack issued in 1990-1991, Matell years.
Dark navy brue painted body, no roof light, clear windows, black interior, 'POLICE' on orange band tempa, black plastic 'CORGI' base plate with '4 division' wheels, CHINA casting.

【72】 93700 Ford Transit Wrecker
フォード・トランジットのレッカーで、1991年頃、マテルによる買収後の、ポリス・スリーパックに入れられたもの。
英国製時代の単品での品番は「J24」ですが、ここでは3台アソートのカードに書かれている「93700」としておきます。
「J」が着くのは、1983年のメットトイの破産後、1984年から1990年にマテルによる買収によって品番体系が変更されるまでの過渡的な時代(Corgi Toys Ltd.)のものです。「J」は「Juniors」に由来します。「90000」台の数字がマテルによる品番です。

この金型は、初出は1981年の10月で、すなわちメットトイ時代の設計です。1984年4月に「J24」番になりました。マテル買収後の単品の品番は「90127」(1991)年ですが、この時は単品では白塗装のものは出ていません。つまりスリーパック限定のバリエーションということになります。
ウインドは濃いブルー、ホイルは「エイト・ディビジョン」、中国製。

同一のマーキングで、ウインドがクリアのもの、ホイルにファイブスポーク、ダブルスポーク。フォーディビジョンなどがあります。ただしこれらは「J24」時代のものも含みます。

カード裏の著作権表示は、「(C)1990 AMATELL COMPANY MADE IN CHINA」になっています。
裏板も「CORGI」だけになり、「MADE INCHINA」がモールドされています。

A car in the police 3-pack issued in1990-1991, Matell years.
White painted body, red bar light, DARK BLUE windows, Red boom, 'RESCUE 108' with red and blue stripes tempa, 'black plastic 'CORGI' base plate with '8 division' wheels, CHINA casting.


     



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